ソフトが有力ということで、見直された雁木囲い。
プロ間でも一時期流行りましたが、今は角換わりのほうが有力ということで、減ってきていますね。
雁木囲い対策としては、早繰り銀が多いですが、雁木側も悪くはないですし、一局ですね。
今回は急戦ではなく、穴熊にして硬さで勝負する指し方を紹介します。
急戦は玉が薄くて、反動がきついという場合は、ぜひご覧ください。
bona6_D10 vs AobaZero_w723_n_p800
floodgateのbona6_D10とAobaZero_w723_n_p800の対局で、AobaZeroの雁木に対して、bona6が穴熊にしていました。
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AobaZeroは振り飛車の出だしから、△8四歩と居飛車と見せて、雁木と明言しましたが、bona6は構わず▲7八玉と寄ります。
攻めてくるところに玉が寄っていくので、少し挑発的な意味もありますね。
ただ、△8五歩▲7七角で、すぐには仕掛けられませんので、△3二金と上がります。
堂々と穴熊宣言
▲9八香の早めに香をあげて、穴熊宣言ですね。
▲8八玉と寄ってから、▲9八香が自然ですが、ソフトは先に▲9八香と上がることも多いですね。
角道に玉が入りますので、△4五歩が少し気になるからでしょうか。
この辺りは難しいですね。
先に▲8八玉でも悪くなることはありませんので、もし指す場合で▲9八香と先にあがるのが違和感がある場合は、▲8八玉からでも大丈夫です。
攻めに合わせて、銀を出す
△6四銀と早繰り銀にしたのに対して、▲6六銀と銀で守ります。
穴熊は硬いですが、囲いが完成するまではもろいですので、相手の攻めに合わせて、受ける必要があります。
この辺りは対振り飛車でも同じですね。
ただ、ここまでこれば、すぐに仕掛けられる心配はありませんので、▲8八銀から穴熊を完成させられます。
穴熊を完成させた後の攻め方
穴熊の難しいところは、完成させたあと、どうやって攻めるかですよね。
そこも、bona6がうまく攻めていますので、参考になるかと思います。
▲6八角と引き角にして、▲3五歩から一歩交換。
△8六歩から一歩交換されますが、▲2四歩△同歩▲1五歩△同歩と突き捨てて、▲2四角から角を交換します。
▲1五歩は後からでも問題ないですが、ソフトは早めに突き捨てることが多いですね。
この辺りも、後でも先でも問題ありません。
△2二玉▲1四歩と垂らします。
手筋としては▲1三歩ですが、△2二玉と上がられたので、△同玉と取られて、手がないですね。
なので、▲1四歩と垂らしたんだと思います。
ただ、ここからが難しいです。
手を渡されたときに次の攻め手があまりないです。
▲1五香と走っても、△1二歩と受けられて、次がないです。
△同香と取ったのがあまり良くなかったようで、▲3六角から攻めがつながりました。
受けにならない顔面受け
△1三玉で顔面受けをしましたが、▲1四角と取られます。
△同玉は▲1五香△同玉▲1六歩△同玉▲1七香で詰みですので、取れません。
AobaZeroの読みとしては、▲1四角を△同玉と取れる予定だったみたいで、うっかりと同じようなものですね。
floodgateの対局は時間が短いですので、ソフトといえども、読み間違いはあります。
硬いけど攻めるのは難しい
雁木囲い相手に、穴熊の硬さを生かして戦うのも、悪くはないみたいです。
ただ、攻めきるのは難しいので、一局の将棋になります。
雁木か振り飛車か保留したまま駒組みする手もありますが、そうされたときにさささっと穴熊に囲ってしまえば、どちらにされても戦えますので、そういったときにも有力ですね。