３月のライオンの中で、検討していたこの局面。
次の一手は、二海堂晴信は、６一角で、重田盛夫は７四歩と歩を伸ばすとのことでした。
二階堂の主張としては、６一角と打って、５二歩と謝らせれば、角の打ち得。
重田の主張としては、６一角は筋違いになるので、働きが悪いから７四歩と伸ばして、△６四金に対して、
▲３五歩に、同銀でも同歩でも、７一角と打った方が筋違いにならず、角の働きがいいとのことでした。
また、二階堂「▲７四歩としたときに、△４七角にはどうするんですか？」
重田「▲５六歩でいい」とのことでした。
主人公の桐山零は、そもそもこの局面は、３七銀が使えなくて、７五歩は攻めになるどころか傷にしかならないので、先手不利との主張。
なかなか難しい局面ですよね。
矢倉戦で、角交換しあったあと、どうするか？ というところですね。
まずは、二階堂の６一角に対して、△５二歩と打たれた後はどうするんでしょうね。
重田の言っている通り、▲７四歩と伸ばして、攻め味を作っていく感じですかね。
放っておけば、▲７三歩成△同桂▲７四歩が受けにくいですから、△６四金と金が寄ると思います。
これで、▲７三歩成△同桂▲７四歩には、△同金と取れるわけですね。
そこで、▲７三歩成△同桂▲７二歩と垂らすのはどうでしょうか。
ちょっと攻めが遅いようにも感じますが、後手からの攻めがないのであれば、７二とで、飛車・桂馬の両取りを狙いつつ、飛車の横効きも、止められます。
そのため、５二角成と、歩を取って角も成れます。
で、攻めがないのかどうか。
浮かむ瀬で検討してみたいと思います。
はい、完全無理筋と言われました。
以下、△７六歩▲同銀△７五歩で、銀が取られます。
△７六歩に対して、▲６八銀と逃げた場合は、△８六飛▲同歩△７五金と進むようです。
８六歩は守りようがないですから、▲７一歩成と攻め合いますが、△６九角と打たれて、玉頭を攻め潰されるようです。
ということで、二階堂の６一角は、ちょっと厳しいみたいですね。
浮かむ瀬も、後手有利と判断していますし。
続いて、重田の７四歩とした場合。
こちらは互角ですね。
△６四金に、▲３五歩△同銀▲７一角と進めた場合は…
後手有利となるようです。
以下、△５二飛と回って、飛車が成られると困りますから、▲５六歩と受けます。
△７二飛と角にあてて、▲５三角成。
馬を作っていいと思いきや、△５二歩で、馬の行く場所がないんですね。
▲３五馬と銀を取るしかなくて、後手が指せるということですね。
局面を▲７四歩△６四金とした所に戻します。
ここで浮かむ瀬は、▲２四歩と突き捨てるそうです。
△同歩には、▲２五歩と継ぎ歩攻めし、△同歩▲２四歩と垂らします。
△同銀とすると、▲７三歩成△同桂に、▲５三角の銀と桂馬の両取りが受かりません。
そこで、△７六歩と攻め合って、一局といった感じみたいです。
局面を戻しまして、▲２四歩としたときに、△同銀とした場合はどうなるのか？
迷ったら銀で取れの格言ですが、この場合には、▲５四歩と真ん中から攻めていくようですね。
△同金は、▲７三歩成△同桂▲７四歩がありますから、同金は取れません。
そこで、△３三銀とまた戻るんですが、▲３五歩と突き捨て、△同歩に、▲２四歩とまた叩きます。
これが、同歩でも、同銀でも、▲７一角が厳しいです。
同歩とした場合、銀にヒモがついていますから、△７二飛と強く出れるんですが、▲４四角成△同銀▲２四飛と十字飛車が決まります。
そこで、△４二飛とまわって、銀にヒモをつけるんですが、▲５三歩成が入って、先手有利です。
いかにもソフトっぽい細い攻めをつなげていますね。
ちょっと参考にしにくいですが、継歩や垂れ歩の手筋は覚えたいです。
これができるだけで、かなり戦術の幅が広がりますしね。
