今最強ソフトのdolphin/orqhaはどこまで強いのかということで、第5回 将棋電王トーナメントで優勝した平成将棋合戦ぽんぽこ(tanuki-sdt5)と対局させてみました。
先手が平成将棋合戦ぽんぽこで、後手がdolphin/orqhaで、持ち時間は1手10秒の10秒将棋です。
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下に表示されているのはソフトの読み筋と評価値ですね。
結果は、dolphin/orqhaの勝ちとなりましたが、評価値をグラフにするとかなり面白いことになりました。
平成将棋合戦ぽんぽこ vs dolphin/orqhaのグラフ
黒が平成将棋合戦ぽんぽこの評価値で、白がdolphin/orqhaです。
序盤は互角で、中盤になると平成将棋合戦ぽんぽこがリードします。
dolphin/orqhaも同じような評価で、かなり悪いと言っていますね。
ただ、77手目にdolphin/orqhaの評価値がガクンと落ちて後手に傾き出します。
その後、81手目にはdolphin/orqhaは自分がいいと言って、平成将棋合戦ぽんぽこも同じような評価値になっていきました。
dolphin/orqhaがずっといいのかというと、そういうわけでもなく中盤では平成将棋合戦ぽんぽこのほうがいいとのことで、終盤力がかなり強いソフトみたいですね。
こうしてみると、将棋はやっぱり終盤なんですかね。
まだまだソフトでも難しいみたいですね。
それでは、本局を振り返ってみたいと思います。
平成将棋合戦ぽんぽこ vs dolphin/orqhaの感想戦
本局は横歩取らせのようになりましたね。
6八玉型なので、▲3四歩と相横歩取りにする手もありますね。
△8八角成▲同銀で金が抜かれることはありませんので。
形は違いますが、竜王戦で藤井四段と佐々木五段の対局で6八玉型で相横歩取りになりましたね。
あのときは、藤井四段にデビューから30連勝がかかった対局でしたね。
本局で取った場合は、△2六飛と回って一局ですね。
▲2二角成なら△同飛と取って問題ありません。
ただ、ソフト的には損するということで、▲7七角と上がりましたね。
dolphin/orqhaが悪いと言っていたのが3四歩の対応ですね。
対局中は△3三歩成▲同金で悪くなったという判断でしたが、読み込ませると、ここで△7六歩や△5一金で互角とのことでした。
本局は△6三銀と引いて歩成りに△同金。
ここからはdolphinもぽんぽこも先手がいいということで、ぽんぽこがリードを広げていきます。
グラフでは、この次の手の▲8五角でdolphin/orqhaに流れが傾きましたが、もっと読み込ませると、▲8五角は悪くなかったようです。
▲8五角のところでは、dolphin/orqhaは▲2六銀が推奨で、ぽんぽこに読ませると▲4八銀を推奨していました。
2六銀でも4八銀でも先手がリードを保ち続けていたようです。
2六銀は取られるので指したくないですが、取った手が甘いということなんでしょうね。
敗因はこの次の手のようです。
▲8四銀と打っていきましたが、これが甘いようで▲5四桂とすべきだったようです。
△同銀は頭金で詰みですので、取るのであれば△同歩ですね。
そこで▲5三金と打って、5二銀からの詰めろですし△4一玉と逃げても▲3三銀と縛られて、ほぼ必至となります。
▲8四銀のときにdolphin/orqhaが厳しく攻めて、巻き返していきます。
dolphin/orqhaが寄せきって、勝ちとなりました。
ソフトでも、まだまだ間違えるほど難しいのが将棋ですので、まだまだ終わることはないですね。
人間が勝つ余地もまだある気がしますので、もっと研究が進んでからソフトとプロ棋士の対局をまた見てみたいです。