横歩取りの中でも、8五飛戦法について見ていきたいと思います。
中座真七段が指したということで、中座飛車とも呼ばれている戦法ですね。
最近では8四飛の方が流行っていますが、8五飛戦法も十分指されていますし、かなり有力な戦法です。
横歩取りで、8五飛戦法を好まれている方も多いですね。
横歩取りを指す場合は、8五飛戦法も知っておく必要があるかと思います。
そこで、8五飛戦法の狙いや対策を見ていきましょう。
8五飛戦法とは
まずは、8五飛戦法がどんな戦法なのか? ということなんですが、こちらが8五飛戦法になります。
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お互い飛車先の歩の交換して、▲3四飛と横歩を取り、△3三角とあがり、▲2六飛と引いて横歩を守ります。
先手だけ1歩得したのを主張にしたんですね。
△2二銀▲8七歩△8五飛と引くのが8五飛戦法になります。
真ん中から飛車を使っていこうということですね。
次に△2五飛と回られたら困るので、▲2六飛と戻る一手です。
8五飛戦法の狙いは?
この8五飛戦法は何を狙っているのかというと、△7四歩から桂馬を使って攻める筋と△2五歩と飛車を押さえ込んで飛車先を逆襲するような筋があります。
8四飛と違って、△7四歩と突いたときに飛車の横利きが止まらないのが特徴ですね。
なので、桂馬を使いやすくなっています。
8五飛戦法の対策
この8五飛戦法に対して、どう指せばいいのか? というのを見ていきたいと思います。
お互い、すぐに攻めることはできませんので、数手は囲い合いになります。
8五飛戦法で採用される囲いは、中原囲いが一般的です。
先手は、中住まいに構えて、隙をなくします。
これでお互い囲いが完成ですね。
先手としては、▲3六歩と角頭を狙っていきます。
△7四歩と桂馬を活用しにきますが、気にせず▲3五歩。
△同飛と取られてしまいますが、▲3三角成△同飛とさせます。
△同桂は▲4六角の飛・香両取りが受からなくなります。
これで歩の損得はなく、飛車の働きを弱めることに成功しました。
また、△7三桂と桂馬を活用する手も封じています。
△7三桂には▲8二角があるからですね。
そこから、▲5五角△4四角▲同角△同歩とすることで、△4四角の飛車・香両取りを消します。
次に△5五角が残っているので、▲3七歩と打ちます。
これで、一安心です。
ゆっくりとした展開にするのであれば、▲6八銀から囲ってもいいですし、速く攻めたいのであれば、▲7五歩という手もあります。
△同歩は▲8六飛と飛車成りが受かりません。
なので、△3六歩と止めたり、△6四角と打って、▲8六飛に△8二歩と打って飛車成りを受けたりする必要があります。
いずれにしても、一局の将棋ですね。
ただ、先手が主導権を握れて、攻めるか囲うかを決められるのは大きいのではないでしょうか。
8五飛戦法に対して、有力な手ですので、ぜひ試してみてください。