横歩取りの出だしから、金が上がらずに守らないで、すぐに攻めてくるノーガード戦法というものがあります。
この戦法は横歩取りを指すのであれば、知っておかないといけない戦法です。
相手が指してきた場合、避けることができませんので。
なので、ノーガード戦法とその対策について見ていきたいと思います。
ノーガード戦法とは?
まず、ノーガード戦法というのは、どういった戦法なのか? と言いますと、こういった戦法です。
>
攻め100%という感じで、一切守らずに攻めてくるような戦法ですね。
ここまでは普通の横歩取りのような出だしですね。
△3二金とあがれば、横歩取りか相掛かりか、角交換して角換わりかのどれかになると思います。
ただ、ノーガード戦法は金が上がらずに、△8六歩とすぐに突いてきます。
▲同歩△同飛となって、こちらも▲2四歩△同歩▲同飛とします。
ここで、△3二金なら横歩取りか相掛かりに合流します。
ノーガード戦法はやっぱり金は上がらずに、△8八角成▲同銀と角交換して、△3三角と打ってきます。
これが飛車・銀両取りになるわけですね。
一見、これで決まっているようにも見えますが、これで決まっているのであれば、横歩取りという戦型はないでしょうね。
つまり、ちゃんと対策はあります。
このノーガード戦法の対策についてみていきます。
ノーガード戦法の対策
△3三角を打たれた局面からどうするか? ということなんですが、▲2一飛成と成っていきます。
△8八角成▲同金△同飛成が入ってまずいんじゃないかと思いきや、▲3三角の切り返しがあります。
これが、王手龍になるわけですね。
当然、玉が逃げるしかありませんが、龍を抜いておいて、大駒さえなければ、寄ることはないので、怖くありません。
なので、ノーガード戦法は、▲2一飛成に対して、△8八飛成▲同金△同角成としてくるんですね。
これなら王手龍の筋はなくなります。
ただ、馬の場合、龍より脅威は減りますね。
この後の展開としては、▲6六角と合わせたり、▲8二歩と叩くのも有力です。
▲6六角と合わせた場合、△8九馬と逃げても、▲5八金と冷静にあがっておけば問題ありません。
香取りが受かりませんので、こちらも馬を作ることができますので。
▲8二歩は、△同銀ですと、▲8五飛の馬・銀両取りが受からなくなります。
なので、△2二馬と引いてきて、▲同龍△同銀として、▲8一歩成とと金を作っておいてどうかですね。
どちらにしても乱戦ですね。
こちらが有利な展開ではありますが、一手でもミスすると、すぐに形勢が傾くので実践的には大変だと思います。
穏やかに指す場合は?
乱戦が嫌な場合は、△8六歩▲同歩△同飛に対して、▲8七歩と打ってしまっていいと思います。
△8二飛と引いてくれるのであれば、こちらも▲2四歩と突いて、相掛かりになります。
△7六歩と横歩を取ってくるのであれば、▲2二角成△同銀▲6五角と打てば先手が指せる展開です。
飛車取りと角成りの両方を見ているわけですね。
△5四角と合わせるぐらいですが、▲7六角と飛車を取って△同角としてどうかですね。
やや先手が指せる展開ですが、一局です。
どちらの対策でも問題ありません。
横歩取りを指す場合は、ノーガード戦法の対策も持っておくと指されたときに困らないと思います。
あるいは、逆に指してみるのも面白いかもしれないですね。
相手が知らないと一気に攻められたりもしますので。