最近プロ間でも流行の兆しを見せている雁木囲い。
矢倉の派生みたいな感じではありますが、矢倉の場合、居角左美濃急戦や藤井四段の見せた桂跳ねからの速攻のような一気に攻められる手が出てきてから、少し採用率が落ちそうです。
なくなるわけではなく、今後また新たな手が出てきたりして、また流行ったりすることもあると思います。
ただ、今はそういった対策もないので、採用しづらくなっていくということですね。
そうなってきたときに、ガチガチに組んで戦いたいとなると、雁木になるのかなという気はします。
雁木ならまだ対策が出ていませんので、いきなり攻め潰されることはなくなります。
これは、プロ間だけでなくアマチュア間でもそうなっていくと思います。
今はプロの棋譜が見やすいので、プロの指し手がすぐに分かるので、それを採用する方が増えるからですね。
となると、今度は雁木の対策をどうするかというのを考える必要が出てきます。
ということで、雁木囲いを見ていきたいと思います。
雁木囲いの定跡
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だいたいの駒組みはこんな感じですね。
雁木囲いは、振り飛車なのか居飛車なのかをギリギリまで分からなくすることができますので、相手を困惑させることもできます。
ネット将棋などの1回しか戦わないような将棋では、より効果を発揮します。
そこまで駒組みで注意する点もありませんので、多少の手順前後はそれほど気にしなくてもいいと思います。
この形を目指すようにすれば雁木囲いの完成ですね。
プロ棋譜
朝日杯将棋オープン戦 豊島将之七段vs羽生善治四冠
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羽生四冠が雁木を採用した対局ですね。
豊島七段は穴熊にして持久戦にしようとしましたが、羽生四冠が一気に攻めていきましたね。
雁木囲い対策
まだこれといった対策はありませんが、角頭が弱いので早繰り銀で角頭を狙っていくのも有効的です。
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▲3六歩~▲3七銀と銀を繰り出していく戦法ですね。
雁木囲いにしようと△6二銀と上がってきたら、▲3五歩と仕掛けていきます。
△6二銀でなくても、△4一玉などでも同じです。
▲3五歩と仕掛けていき、△同歩なら▲4六銀とあがって、吊り上げた歩を狙っていきます。
△3六歩と取られそうな歩を伸ばしてきたときに、▲2六飛と浮きます。
歩を取りにいく意味もありますが、銀の負担をなくした意味もあります。
つまり、銀を動きやすくしたということですね。
例えば、▲2六飛と浮かずに▲3五銀と出てしまうと、△3七歩成▲同桂と成り捨てられて、▲3六歩と打たれて、桂馬が取られてしまいます。
▲2六飛と浮いておけば、△3七歩成▲同桂△3六歩には、▲同飛と取れるので問題ありません。
雁木囲いは組まれてしまうと強いですが、その前に攻めてしまえればなんとかなります。