朝日杯にて、藤井聡太四段が藤岡隼太アマに勝って、27連勝になりましたね。
一体いつまで勝ち続けられるのか?
また誰が藤井四段の連勝記録を止めるのか?
やっぱり気になりますね。
次は棋王戦で戦った澤田真吾六段ですね。
1回勝っているとはいえ、かなりギリギリでしたし、澤田六段も一回対局して研究しているでしょうし、すごい対局が見られそうです。
それでは、藤岡隼太アマに勝った棋譜をどうぞ。
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本譜は角換わりの出だしから藤岡アマが嫌って、雁木にしましたね。
それに対して、藤井四段は早囲いよりもさらに簡単な囲いにしました。
△4四歩突いて、△4三金と上がれば早囲いになりますが、藤井四段はそうせずに、ここから仕掛けていきます。
△7四歩から桂馬を活用していって、藤岡アマは▲6五歩から銀を上げて対応します。
△6四歩と戦いを起こして、▲同歩△同角▲6五歩と収めようとしますが、△8六歩とついていきましたね。
ここで角が逃げると、一手パスですし、歩を手持ちにはできましたが、今の所狙い筋もないですからね。
仕掛けた以上は、△8六歩と飛車先の歩も切っておきたい所ですよね。
角を取ると歩成が入って、と金の方が厳しいですので、▲同歩の一手に△同角▲8七歩。
△4二角と2歩交換して満足という感じですね。
藤岡アマとしては、このままですと、相手の主張だけ通っていて、面白くないので、何か主張を作りたいですよね。
▲7七桂と桂馬を活用していきましたね。
雁木の場合はこれが1つの狙いでもありますよね。
矢倉にしてしまうと銀が上がってしまうため、桂馬が跳ねられませんが、雁木は銀がいない分、桂馬が跳ねられます。
後はこの桂馬がどう活躍できるか? でしょう。
藤岡アマも飛車先を切って、藤井四段は△9五歩を端から攻めていきましたね。
桂馬が跳ねた分、端が弱くなったので、端が急所と思ったのかもしれません。
藤岡アマは受けずに▲3五歩△同歩▲同角と3筋の歩を切りに行きましたね。
△9六歩と取り込んで、▲9八歩と受けました。
端でポイントを稼いだということで、今度は△6五歩と取り込んで、▲同桂に△6四角と飛車取りに当てましたね。
藤岡アマだけ角が活用できていて、藤井四段は角が活用できていない状態でしたので、角を使っていきたいというのもあったのかもしれません。
▲5五歩と受けて、△6五桂。▲同銀は△5五角が飛車・香取りで馬が作られてしまうので、マズイですね。
ということで、▲5六銀と上がって、桂馬を取れるようにしました。
銀が2枚とも玉から離れて、玉が薄いのが気になりますね。
藤井四段は△7三桂とつないで、▲4六角ととにかく桂馬狙いですね。
ここで、△8六歩▲同歩に△6八歩と王手。
▲同玉は△8六角が受けにくいですね。玉が逃げても角を成り捨てて飛車が成られますので。
かと言って▲同金とすると、△8六飛で飛車成りが受かりませんし。
ということで、▲5八玉と逃げて、△8六飛に▲8七歩。
藤井四段は構わず踏み込んでいって、△7六飛と横歩も取りましたね。
▲6七銀で飛車の逃げ道がありませんから、△7八飛成▲同銀と切っていきました。
藤井四段はゆっくり指すときもあれば、こうやって大胆なときもあり、色んな指し方ができますよね。
△5六金と打って、▲6七銀に△4六金▲同歩と実質、飛車・角の交換になりましたね。
これなら歩もいっぱい取れて、飛車を取られても、全く不満ない展開でしょう。
また、藤井四段の手番なのも大きいですよね。
△8八角と打って、さすがに相手にせず▲3四歩と攻めていき、△2二銀に▲8一飛と飛車を降ろしました。
△5五角▲同銀△同角成と銀と角を交換して、馬を作りましたね。
▲4七金と守りを固くしますが、△6九歩成と成り捨てました。
玉が動くと、金銀全部浮きますので、動きたくない所ですが、と金が玉のそばにいるのも問題なので、仕方なく▲同玉。
△7七桂成と銀取りに当てつつ桂馬を成りました。
これも玉のすぐ頭にいて、かなり怖い形ですね。
▲5六銀と馬に当てつつ逃げて、△6六馬と逃げて、▲5八金と金をくっつけましたね。
ただまぁやっぱり怖い格好ですよね。
馬が効いていて、玉の逃げ道がありませんし。
さらに、△6七歩と打って、▲5九玉と逃げましたね。
△3九馬と逃げ道をなくしつつ飛車に当てました。
ここで、藤岡アマが反撃。▲2三歩と叩いて、△同銀に▲3三角と捨てていきました。
△同桂▲同歩成△同玉に▲4一飛成と金を取りました。
ただまぁこれが詰んでいるということで、△2六角▲3七桂△同角成▲同金。
△6八銀に▲同金△同歩成▲同飛△同桂成▲同玉と全部バラして、△7六桂。
ここで投了となりましたが、以下、▲7七玉と上に逃げるんですが、△6六金と打って、上に行けば頭に飛車を打って詰みですので、
▲7八玉と引いて、△6八飛▲7九玉△8八飛成▲6九玉△6八竜までですね。
詰みが読み切れるので、自玉が危なくなっても全く問題ないということですね。
さすがです。