将棋ウォーズで原始中飛車を指される方がいて、良く分からなかったので、調べてみました。
結構面白い戦法で、2つの利点があります。
1つは、無条件に片美濃囲いが組める点ですね。
これは振り飛車ですので当然ですね。相手が何をしてきても気にせずに片美濃囲いまでいけます。
もちろん、原始棒銀などで、一直線に攻めて来られた場合は、話は変わってきますが、基本的には組めると思います。
もう1つは、攻めの理想形である、飛車角銀桂歩の形を作りやすいんです。
なぜなら、全てを5筋に集めることができるから、ですね。
相手は一切考えないで、原始中飛車側だけ見ると、こんな感じです。
ここまで組めれば、勝ったも同然です。中央突破を免れませんから、このまま一直線に攻めていって押し潰せます。
もちろん、相手がいることですから、ここまでうまくいくことは少ないと思います。
思いますが、この形を作りやすいのが原始中飛車ということですね。
原始という割りに、かなりの威力があるのが、この戦法です。
原始中飛車の定跡
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手順は色々とあるみたいですが、だいたいこんな感じみたいです。
相手のことは気にせずに、美濃囲いまで組んでから、攻めて行きます。
駒組みする上でのポイントは2点あります。
まず、1つ目は、△8五歩と突かれたら、▲7八金と上がって、8筋を受けます。
8筋の歩の交換はされてもいいという考えですね。
相手に1歩持たれますが、その分、1手得できますので、より美濃囲いに組みやすくなります。
もう1点は、▲5九飛。
飛車を引くことで、後々△6九銀と打たれるような筋を消しています。
ただ、この辺は▲5六歩、▲5五歩と突いて、▲5六飛と上がって、浮き飛車にする手もあります。
どちらがいいかは難しい所ですね。
原始中飛車の攻め方
ここからどう攻めていけばいいのか?
原始中飛車の攻め方を見ていきたいと思います。
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狙いは、中央突破ですので、銀を繰り出していって、中央を制圧していきます。
ここまで来てしまえば、▲7七桂、▲6五桂と跳ねて、中央から崩せます。
原始中飛車の棋譜
千葉涼子vs.橋本崇載
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こちらは何の対局なんですかね。2006年に行われたそうなんですが。
対局の詳細については書かれていませんでした。
原始中飛車の対策
原始中飛車の破壊力はお分かりいただけたかと思いますので、今度は逆に原始中飛車をやられたときにどう対策すればいいのか? ということを見ていきたいと思います。
63銀と端角の形
先ほど見た通り、角交換すると悪くなりますので、角交換させない指し方にしてしまいます。
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流れとしてはこんな感じですね。
ポイントを紹介していきたいと思います。
定跡のように進んだ局面ですが、ここで△8六歩と突くのは、▲同歩△同飛▲8七歩△8二飛は一手損するので、先に駒組みを進めて、△6二銀と上がります。
相手が▲7八金と受けている以上、飛車先の歩の交換はいつでもできますので、駒組みを優先するほうが重要です。
どういうことかというと、飛車先を交換されないようにするためには、角や銀を三段目にあげる必要があります。
角や銀を三段目にあげるということは、▲7六歩や▲9六歩と歩を突く必要があるわけですね。
しかし、突いていないので、三段目にあげるには2手必要となります。
なので、▲7六歩と突いたときに、△8六歩と飛車先の歩を交換しに行けばいいということです。
そこからは駒組みが続いて、14手目△6三銀
これが対策ですね。
5筋を狙ってきますので、あらかじめ銀をあげておくことで、5筋に備えます。
それでも、▲5七歩と来たときは、△1三角と端角にします。
角道がすーっと通ってくるわけですね。
例えばここで、端角を咎めようと、▲1五歩としてきた場合には、△同歩▲同香△7九角成と角を切ります。
▲同角の一手ですが、△1五香として、角は取られますが、銀と香が取れて、2枚替えになるので、居飛車が有利です。
香車が通っているのも大きいですよね。玉を狭くしていますから。
▲1七歩と受けてくれるのであれば、歩切れにできますから、かなり大きいですね。
ということで、端角を咎めるのは難しいです。
▲5五歩と突いてきた場合には、△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8三飛と飛車先の歩を交換します。
▲5五歩を突かれると、▲5六飛と浮かれて、飛車先の歩の交換ができなくなるからですね。
なので、ここで歩の交換はしておきたい所です。
また、△8二飛と引くのではなく、△8三飛とすることで、5筋に飛車も効くようにできます。
こうなれば、中飛車側から動いていく筋は難しいですね。
まだまだ難しい将棋ではありますが、駒組みで苦労することはないんじゃないかと思います。
後はゆっくり指していけば、良くなりやすいです。
なぜなら、中飛車側が動かせる駒が少ないからです。飛車と角のにらみが効いていますから、左側の金銀は動かせないですよね。
例えば、▲6八銀とかしてしまうと、△同角成▲同金△8七飛成と龍が作られる上、角取りの先手になります。
その上、角を受けるすべが難しくて、▲7九角と引くのであれば、△8八歩が入りますし、▲7九角打なら、△8五龍と一度引いておいて問題ないでしょう。
これが△8七歩からの角取りの先手ですので、また受ける必要があります。
なので、ここからはずっと居飛車が主導権を握れます。
と言った感じで、△6三銀に端角の形は、中飛車側が動きにくくなりますので、オススメです。