プロ間では、先手良しの結論が出ていて指されることはまずない横歩取り2三歩戦法。
とは言え、知らないとかなりやっかいな戦法ですので、横歩取りを指すのであれば、知っておいたほうがいいと思います。
まず、この2三歩戦法はどういった戦法なのかといいますと…
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まずは、普通の横歩取りの出だし。
ここから、▲2四歩△同歩▲同飛△8六歩▲同歩△同飛▲3四飛となれば、普通の横歩取りです。
2三歩戦法の場合は、▲2四歩△同歩▲同飛のときに、△2三歩と打ちます。
名前は、この2三歩から来ているわけですね。
これに対して、▲2六飛や▲2八飛と引くのであれば、普通の相掛かりになります。
▲3四飛と横歩を取ると、△8八角成▲同銀と角交換して、△2五角や△4五角と打って、馬を作りにいきます。
まずは、△2五角の変化から見ていきたいと思います。
△2五角の変化
先手が横歩を取ったのに対して、角交換して、△2五角と打った局面ですね。
これには、▲3二飛成と飛車を切る手もありますし、▲3六飛と引いて馬を作らせない手があります。
どちらも先手が指せる変化なんですが、ソフトは▲3二飛成と切っていく手を推奨しています。
▲3二飛成で+300点ぐらいで、▲3六飛は+200点ぐらいです。
ソフト的にはまだまだ戦えるということですね。
▲3二飛成の変化
▲3二飛成とした変化をまずは見ていきたいと思います。
△同銀か△同飛ですね。
△同銀ですと、▲2二角の筋が残りますね。かと言って、△同飛ですと、▲8三角の筋が残ります。
ということで、傷がかなり残るので、飛車を切ってしまっても先手が指せるということですね。
ただ、4七角成が残っていますから、▲3八銀とあがる必要があるため、そのときに傷を消せば問題ありません。
とは言え、角打つ筋を消すのが難しいんですよね。
例えば、△同飛の場合、▲3八銀に△8二銀とあがったりしても、▲4五角が残っていますので。
どうしても、馬は作られてしまいます。
△同銀の場合どうかといいますと、▲3八銀に2二角がありますので、△3三銀とあがります。
これでも、▲4五角はありますし、さらには△2六歩▲3四角△3五金と角を取る手もあります。
▲3六飛の変化
続いて、▲3六飛と引く変化ですね。
これは△同角と取る一手に▲同歩として、飛車・角交換になります。
序盤は飛車より角ということで、ちょっとだけ先手がいいですね。
ただ、お互いに難しいですよね。
後手としては角の打ち込みに気をつけないといけませんし、先手としては、飛車の打ち込みに気をつけないといけませんので。
お互いに大駒の打ち込みに気をつけながらの駒組みになります。
なので、分かりやすいのは、▲3二飛成と切ってしまうほうですね。
それでも、どちらも互角の展開なので、難しいは難しいです。
△4五角の変化
続いて△4五角の変化です。
こちらも、▲3二飛成と切る手もなきにしもあらずですが、角が効いていて、馬を作るのが難しいので、先手も少し苦労する展開になります。
ソフトの評価値も全くの互角で、+80点ぐらいです。
100点未満は点差がないのと同じですね。
なので、△4五角に対しては、切るのではなく▲3五飛と角にあてて、△2七角成とあえて成らせます。
▲1五角と王手して、△4一玉と寄ります。
△5二玉や△6二玉は▲2二歩で先手が勝ちます。
そこで、▲3六歩と突いて、馬を逃げれないようにします。
△4九馬と切って、▲同玉に△2四金と打つ手もあります。
▲同角△同歩として、角交換してどうかですね。
あるいは、△1四歩▲4八角と追い払って、△8六歩▲同歩△同飛と走る手もあります。
▲3八金と馬を取りにいくと、△3四歩と一回飛車を叩いて、▲同飛に△3八馬▲同銀△4四金と打って、飛車が取られます。
これでも飛車・角交換なので、特に不満はありませんが、取れそうだった角が一働きされた感じがするのはイヤですね。
かと言って、意外と取りにいくのが難しいんですよね。
▲3八銀に△2八馬と入らせて、▲3七角と合わせて、△同馬▲同桂とするぐらいですので。
結局、馬と角の交換なんですよね。
ただ、最初のいきなり△4九馬と切っていって、▲同玉に△2四金▲同角△同歩の変化と違って、飛車先の歩が切れているのが大きいですね。
△4四角と打てるので。
▲7七角と合わせて、△3五角▲8六角と飛車を取り合います。
△5七角成と成っていって、▲5八歩△5六馬▲5三角成△5二歩。
お互い馬を作りあっての乱戦ですね。
▲6三馬と横歩を取って、桂取りにも当てたい所ですが、△6六歩が気になりますね。
取れば金が取られますし、ほっといても、と金ができてしまいますので。
なので、▲8六馬と引きます。
これでどうかですね。
ソフトは+600で先手がいいとのことです。
とは言え、乱戦なので一手でも悪手をさせばすぐにひっくり返るので、難しい展開ですね。