居飛車穴熊が堅すぎて、振り飛車では手に負えない…
このままじゃ、振り飛車が廃れてしまう。
そんなときに生まれたのが藤井システムですね。
今、藤井というと藤井聡太四段を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、藤井システムは、藤井猛九段のほうですね。
藤井猛九段が居飛車穴熊対策として考案された戦法です。
プロ間では最近、あまり指されなくなってきてはいますが、はっきりとした対策があるわけでもありませんし、まだまだ使える戦法だと思います。
アマチュアでは、好んで指す方も多いです。
藤井システムの定跡・手順
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ある程度、定跡化されてはいますが、手順は人それぞれでかなり違います。
なので、あくまでも1例です。
この▲4六歩が藤井システムの構えですね。
将棋ウォーズでも、この▲4六歩を突いたときに、エフェクトが出ます。
居玉のまま駒組みを進めていって、着々と攻め手を作っていきます。
△1二香と穴熊を見せたときが一番いい仕掛けのタイミングで、角筋を使って攻めていきます。
▲2五桂と跳ねて角を退かしてから、▲4五歩と仕掛けます。
△同歩は玉が取られてしまいますので、△同歩とはできませんので、何か別の手を探す必要があります。
例えば、△2四歩と桂馬を取りに行ったり、▲5五歩と角道を止めたりですね。
▲5五歩は△同角と取れますが、今度▲4四歩△同銀が角にあたってきて先手取れるのが大きいですね。
なので、これはこれで一局です。
とは言え、居飛車が受ける展開になるので、受けの力が入ります。
藤井システムの棋譜
第7回上州将棋祭り 新春特選対局の藤井猛九段と高見泰地五段の一局です。
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高見五段は穴熊を目指したんですが、穴熊にする前に攻め込まれて、そのまま潰されてしまいました。
こういう展開になることが多く、藤井システムはかなり破壊力のある戦法です。
藤井システムの対策
この破壊力のある藤井システムですが、どういった対策をすればいいのか? ということで、3つ紹介したいと思います。
急戦に変更
まずは、一番簡単な方法として、藤井システムを見せられたら、穴熊しないということですね。
急戦に切り替えて、攻めにいきます。
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私は、藤井システムに対しては、こう指すことが多いですね。
▲5七銀と上がることを保留することで、急戦か穴熊かを相手に明示しないようにします。
ここで相手が囲いにいけば、▲5七銀とあがって、穴熊にできますし、藤井システムを目指しにくるのであれば、▲9六歩や▲3六歩と突いて、急戦を見せます。
それでも藤井システムを目指してくる場合、玉に囲いに入る手が遅れますので、急戦がうまくいきやすくなります。
藤井システムは穴熊相手には強いですが、急戦相手には、玉が囲っていないのでもろくなります。
なので、逆に居飛車側が攻め潰すことができるわけですね。
ミレニアム囲い
ミレニアム囲いは穴熊ほど堅さはありませんが、いわゆるZの形で、王手がかかりませんので、駒損などを気にせずに攻めにいくことができます。
また、ソフトも藤井システムに対してはミレニアム囲いを推奨していますので、かなり優秀な戦法だと思います。
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桂馬を跳ねて、桂馬のいた所に玉を囲うのがミレニアム囲いですね。
角筋に玉がいないので、角で攻めるのが難しいので、振り飛車側も美濃囲いに収まります。
ただ、ミレニアム囲いと美濃囲いとどちらが堅いかというと難しい所で、一局の将棋ですね。
藤井システムでも穴熊へ
藤井システムをされても穴熊にしたい! というのもあると思います。
穴熊が一番堅いですからね。組めるなら組むに越したことはありませんし。
相手が藤井システムをしてきても、穴熊での対策をお伝えします。
穴熊を見せたのに対して、桂馬で角を退かして攻めに来ようという狙いですね。
角が取られるわけにはいきませんから、▲8六角と上がります。
△6五歩と突いてきますが、▲5五歩と角道を止めます。
このままですと、△6六歩は▲同金と取られて意味がなくなるので、△同角と取るしかありませんが、▲5六銀と出ます。
△3三角と引くしかありませんが、▲6五銀と払っておいて問題ないですね。
今度は4筋が薄くなったので、△4六歩と攻めてきますが、▲5四歩から攻め返してどうかですね。
相手は居玉のままですし、その玉頭を狙っていっているので、相手もかなり怖い展開ですよね。
一方的に受ける展開ではなく、攻め合いの展開なので、穴熊まではいっていませんが、居飛車も十分指せると思います。
藤井システムに対して、9八香、9九玉、8八銀の3手を入れるのはなかなか難しいですね。
その前に攻められるので、できても7八金までだと思います。
なので、穴熊にしようとする場合は、これで戦うしかないですね。