立石流四間飛車の定跡とプロ棋譜・対策の紹介
立石流四間飛車について見ていきたいと思います。
基本的には後手番の戦法ですが、先手番でも後手番でもどちらでも使える戦法で、アマチュアの立石勝己さんが考案されて、プロでも指されるようになりました。
ただ、立石流四間飛車の対策も進んで、プロ間ではあまり指されなくなってしまいました。
とは言え、かなり優秀な戦法ですし、アマチュア間ではまだまだ指されています。
立石流四間飛車の定跡
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先手が立石流ですね。
色んな変化があるので難しいんですが、立石流の1つの変化だと思ってください。
形としましては、6筋と7筋の歩を伸ばして、飛車を7筋に振ります。
石田流のように飛車を浮くんですね。
6筋も伸ばしているため、銀が出てくることもできないので、居飛車側から攻めるのが難しくなります。
逆に振り飛車側は飛車をさばいてしまえば、陣形のバランスが取れていて、飛車の打ち込む隙がないので、有利に展開を運ぶことができます。
立石流四間飛車のプロ棋譜
2001年1月25日竜王戦 谷川浩司九段vs森内俊之竜王
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森内竜王は△3三角とあがって、交換させて△同桂の形にしましたね。
そこから立石流四間飛車にしました。
上記とは銀と桂馬の形が違いますが、基本的な狙いとしては同じですね。
3筋に飛車をまわって、石田流のようにします。
立石流四間飛車の3つの対策
この立石流四間飛車に対しては、3つの対策があります。
それが最強囲いと自陣角と玉のこびんを攻める方法です。
ただ、対策といっても絶対に勝てるとかそういう対策ではなく、ちょっと指しやすくなる感じですね。
指してみると、まだまだ難しい感じになります。
最強囲い
まずは、最強囲いと呼ばれる囲いですね。
これは、先ほどの竜王戦で谷川九段が指した対策です。
まずは、4九に金を置いたままにして一段金のまま駒組みを進めていきます。
そして、玉頭を狙って位を取っていきます。
これも立石流四間飛車対策として優秀とされていますが、一局ですね。
まだまだ難しい展開です。
必殺自陣角!▲7七角
続いて、角交換して、また自陣に角を打ち直す指し方です。
▲7七角と打ち直すことで、△4四飛と上がれなくなるわけですね。
なので、立石流四間飛車に組めないようになります。
とは言え、四間飛車側だけ角を持っていて、角を打たされたと見ることもできるので、これも難しいですね。
一局の将棋です。
玉のこびん攻め!▲3五歩
これは相手の駒組みによってはできない方法なんですが、対策として知っておいて損はないと思います。
△3二金型ではなく、△3二銀型で立石流にしようとした場合。
この場合のみに成立する方法です。
立石流にするため、△4五歩と飛車先を突いて角道を通すんですが、▲3三角成と角交換に応じます。
△同桂は▲2二角から馬が作れて居飛車が指せるので、△同銀の一手。
ここから、▲7八銀と左美濃にしてもいいですし、▲7八金や▲9八香と穴熊を目指しても問題ありません。
△3五歩と3筋を伸ばしてきたときに、▲7五歩と玉のこびんを狙っていきます。
ここで、△4四飛と浮いてきたら、▲7四歩とすかさず突いていきます。
△同歩なら▲5五角の王手飛車ですね。
△同飛なら▲6五角の両取りがかかります。
いずれにしても、立石流四間飛車に組めなくなります。
飛車が取れれば、取りあえず攻められる心配はなくなりますので、角筋を注意しつつ固めていけば、相手に手がなくなります。
その結果、スキができるので飛車を打って攻めやすい展開になります。
ただ、振り飛車側にこの対策はないのかというと、あります。
▲7五歩に対して、△5四歩と突きます。
これで、角を打つ筋がなくなりますので、立石流四間飛車に組むことができるようになります。
なので、この場合は上記の最強囲いにしたり、自陣角を打ったりするのがいいと思います。
ということで、どの対策にしたとしても一局になります。
ただ、最後の▲7五歩は相手が知らないと良くなりやすいですので、試してみると面白いかもしれません。