第67期王将戦七番勝負 第1局 久保利明王将と豊島将之八段が対局した棋譜です。
久保王将は四間飛車にして、豊島八段は向かい飛車にして、相振り飛車になりました。
豊島八段は居飛車党ですが、順位戦でも同じ久保王将との対局で、相振り飛車にしていましたね。
相振り飛車の研究もしているということなんでしょうか。
ここから囲いあって、豊島八段は美濃囲いにしました。
久保王将は右矢倉にしようという所で、豊島八段が仕掛けました。
銀をぶつけて、銀交換しにいきました。
これは交換するしかなさそうですね。
逃げたら３六の歩を取られてしまいますので。
右矢倉は手数がかかるので、その隙をついた感じですね。
▲同銀△同歩▲３三角成△同桂と一気に銀と角の交換になりました。
▲６六角ともう一回打ち直して、▲４四銀と打たれたら困るので、先に△４四銀。
敵の打ちたいところに打ての格言通りですね。
▲７七桂と桂馬を活用して、豊島八段は早繰り銀のように攻めていきました。
▲２三歩△同飛▲３二銀と割打ちの銀で切り返して、△３七銀成▲２三銀成△３八銀成▲同玉と飛車は捨てて攻めにいきました。
美濃囲いが硬いので、飛車は取られても問題ないということなんでしょう。
一気に激しくなりましたね。
△２八歩も厳しい一手で、▲同玉は△２六歩が詰めろで入ります。
頭に銀と金を打って詰みですね。
なので、歩は取れないということで、▲２四成銀と引いて、桂馬を取りにいきました。
この桂馬が利きすぎているので、仕方ないですね。
歩成って桂馬を取って、△３七歩。
と金を取ると、△３八銀から２八に逃げても１八に逃げても△２七金で詰むので、と金は取れません。
▲同玉ですと、△３三桂と成銀を狙われます。▲２四成銀は△１五角で取られてしまいます。
▲２六成銀なら成銀は助かりますが、玉の退路がなくなるので、△２八銀からほぼ寄ってしまいます。
なので、歩は取れずに▲４八玉と避けました。
△３九とと寄っていって、と金で迫っていきました。
ただ捨てが非常にうまいですね。
▲同玉は△６八銀成と飛車取って、▲同金で金が玉から離れて裸にできます。
△２八飛としばっておいて寄ってしまいそうです。
なので、▲６九玉と逃げて、△６八銀成▲同玉△２八飛。
攻めが厳しいですね。
▲６九銀と受けましたが、△５九金とたしていって、一気に寄ってしまいました。
豊島八段が激しい変化に持っていって、そのまま攻め切りましたね。
受けも強いですが、激しい変化も得意とされていますよね。
何でもできるので、全くスキがないです。
