第67期王将戦 一次予選にて、藤井聡太四段が澤田真吾六段に勝利しました。
これで、28連勝ですね。
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本譜は前回の棋王戦予選と同様に角換わり腰掛け銀になりましたね。
ただ藤井四段は5八金型にしていて、4八金型にはしませんでしたね。
いつもは4八金とまっすぐ金が上がって、2九飛と飛車を引く形にしていましたが、それにしなかったというのは、
何か思うところがあったということでしょうか。
あるいは、前回で対策されている可能性を危惧して、5八金にしたかもしれないですね。
この辺の駆け引きも将棋は楽しいですよね。
ここから、藤井四段は▲4五歩と4筋の位を取って、澤田六段は△6五歩と仕掛けていきました。
▲同歩に△7五歩と突き捨てていきました。
▲同歩は△6五桂と跳ねて7六や6六に銀が行くのであれば、△8六歩から飛車先交換して、銀取りの先手になっていますから、▲8七金とあがって、形悪くすることができます。
▲8七銀と引ければ、銀冠ができて、形良くなるんですが、△5六飛と切られて、▲同歩に△4六角と王手桂取りで打たれて、
桂取った手が飛車取りの先手になっていますから、これは先手が持たないです。
ということで、△7五歩は取らずに▲4六角と打ちましたね。
桂馬がいなくなれば、8二歩などで飛車を止めることができますし、7六歩と取り込んだときにも、いつでも7四歩から反撃ができるのが大きいということでしょう。
そこで、澤田六段は△9五歩と端も絡めていき、▲同歩に△6五桂と跳ねていきました。
▲6六銀とあがって、△7六歩と取り込んでいきました。
ずっと受けていても攻められるだけですので、▲6三歩と叩きましたね。
△同金は7二に銀を打たれるのがイヤですね。
今は持っていませんが、▲6五銀右△同銀▲同銀ですぐに銀が渡りそうですので。
それを嫌がって、△7二金と避けましたね。さらに▲7三歩と打っていき、△7一金と引かせて、▲6五銀右と桂馬を取って、△同銀▲同銀ですね。
桂銀と銀の交換なので、澤田六段にとって駒損ですが、7六の拠点が残っていて、守りの銀を引き剥がせたのが大きいですね。
△3九銀と今度は飛車を狙っていきましたね。
4九飛から王手角もありますので、飛車は渡せないですね。
▲3八飛と逃げて、△2九角と飛車・銀取りですね。
ただ、▲3九飛と銀が取れますので、△6五角成と銀を取り合って、馬ができるのが大きいという判断でしょうか。
▲5六銀と打って、△6六馬に▲5五角と合わせて、△同馬▲同銀と馬を消しました。
こうなると駒損だけ残って、澤田六段が苦しいでしょうか。
とは言え、藤井四段は歩切れなので、難しいところですね。
elmoの評価値は50点ぐらい藤井四段がいいとのことです。なので、全くの互角ですね。
△8六歩▲同歩と飛車先の歩を切って、△2八角とまた飛車を狙っていきました。
▲3八飛と逃げて、△1九角成。
▲6四角と玉を睨んで角を打ちましたね。
澤田六段は△3一玉とすごい受けが出ました。
角が成ってきても矢倉の中に入ってしまえば安全ということでしょうか。
それとも、△4二銀と引いて弾いて問題ないということなんでしょうか。
藤井四段は▲4四歩△同歩と味付けして、▲5三角成。
4三に空間ができた状態で矢倉に入るのは怖いでしょうね。▲2五桂打もありますしね。
ということで、△4二銀と引いて、▲7五馬に△5三歩と傷を塞ぎました。
ただ、▲4三歩と叩かれて、△同銀に▲4五歩と合わせましたね。
△同歩は▲4四桂でしょうか。玉頭に利いてて、怖い形にできます。
なので、△2九馬と攻め合いにいきますが、▲4八飛が使えていなかった飛車が使えるようになって味いいですね。
△5二銀と引いて備えたんですが、▲4四歩と取り込んでいきましたね。
△7四香と反撃に出て、馬取りで、玉も睨んでいて、鋭い一手。
ただ、▲4三歩成と手抜かれて、△同金に▲4四歩。
△4二金に▲5四桂と打っていきました。取ると、▲4三歩成が入ってしまいますね。
馬道が通って、金が動けないので、△同銀は▲同飛成と取れます。
ということで、桂馬は取れずに△4一金と引きました。
もう1つの狙いだった▲6二歩成△同金▲同桂成と金が取れました。
△7五香と馬を外して、▲5二成桂と銀も取っていきました。
△同金としても、▲4三歩成が入ってきて意味がありませんので、△7七銀と攻め合いにいきましたが、藤井四段の方が速いですね。
▲4一成桂△同飛に▲3二金と打って、投了しました。
以下、△同玉しかありませんが、▲4三歩成と△同飛▲同飛成△同玉に▲4四銀と頭から打って、△5二玉と広い方に逃げますが、▲4二飛と捨てて、△6三玉は▲6四金までです。
△同玉なら▲4三銀に頭金で詰みます。
かなり激しい攻め合いで、見ごたえありました。
次は29連勝に向けて、ですね。
神谷八段を抜くかどうか。注目です。