第12回朝日杯将棋オープン戦本戦の稲葉陽八段と藤井聡太七段が対局した棋譜です。
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本局は角換わり腰掛け銀になりましたね。
第49期新人王戦記念対局の藤井聡太七段vs豊島将之二冠にて、藤井七段が指した▲2二歩を稲葉八段が指しましたね。
相居飛車ですと、相手の指した手を指し合うような展開は良く見られますね。
自分の指した手の対策をずっと練り続けていかないといけないということで、かなり大変というのをプロ棋士が話していたのを聞いたことがあります。
藤井七段は自分の手に対して、どう対応していくのか楽しみな将棋になりましたね。
端から手を作る
▲7七歩と合わせるところまでは藤井聡太七段vs豊島将之二冠と同じで、豊島二冠は△同歩成でしたが、藤井七段は△9五歩と変化していきました。
▲同歩としてから、△7七歩成▲同金として、△9八歩から全部叩いて香を吊り上げて、△7四角で香を取りにいきます。
歩切れにはなってしまいますが、香が取れるので、十分させるという判断ですね。
△9八歩の筋は△7七歩成▲同銀の変化でソフトは推奨していましたが、▲同金でも問題ないのですね。
やはりそれが入ると200点ぐらい後手の藤井七段が良くなるようです。
△9八歩からの筋を防ぐには△7七歩成を▲同玉と取るしかないようです。
ただ、▲同玉は桂跳ねもあたってきますし、かなり怖い形ですので、指しにくいですが△9八歩から悪くなるなら仕方ないですね。
局面を収めてなんとか
稲葉八段は仕方なく局面を収めにいきましたね。
収められれば、藤井七段は歩切れですので、十分勝機はあります。
ただ、△8五桂から立て続けに攻めにいきます。
銀を取って頭から押していって、玉が丸裸になって、持たない形になってしまいましたね。
投了図以下
以下、▲7五玉は△7四金の頭金ですね。▲8三玉も△7二金打で詰みです。
▲7四歩など合駒をすると、△7三金打▲8五玉△7四金で詰みとなります。
稲葉八段に何もさせずに寄せきりましたね。
藤井七段の研究と終盤力が光った将棋でした。
この後、糸谷八段にも完勝して、準決勝に進みました。
次は行方尚史八段で、トップ棋士との対局が続きます。