第5期叡王戦 アマチュア代表決定戦の森村賢平アマ王将と鈴木肇アマ名人が対局した棋譜です。
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鈴木肇アマ名人は、将棋マンガ「リボーンの棋士」の棋譜監修をしている方です。
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森村賢平アマ王将は、鈴木肇アマ名人の従弟で、2歳下です。
鈴木肇アマ名人と森村賢平アマ王将が、叡王戦アマチュア代表決定戦で対局するというのも、すごいめぐり合わせですよね。
それでは、棋譜のほうを見ていきたいと思います。
石田流vs右四間飛車エルモ囲い
森村アマ王将は石田流で、鈴木アマ名人は右四間飛車エルモ囲いですね。
最近、石田流が減ってきた理由が、この右四間飛車エルモ囲いと黒沢五段が解説で話していました。
エルモ囲いが硬い上、石田流でありながら先に攻められる展開になるので、あまり指されなくなっているようです。
局面は鈴木アマ名人が△3三角とあがった局面ですね。
これは2二玉と囲うよりも△6五歩から仕掛けたときに▲同歩△同銀▲3三角成△同桂と形良く取りたいということですね。
角交換したときに2二玉の形になると角の王手が入りやすくなりますし、2二金の形は壁金の形であまり良い形ではありませんので、玉と金は動かさずに桂馬で取れるようにしましたね。
▲4六歩に△6五歩と仕掛けて、開戦となりました。
どちらの角が働くか?
角と銀をさばいて、▲5六角△4四角と角を打ち合いました。
どちらの角がより働くかですね。
先手の角は8三角成と馬は作れますが、その後の狙いが難しいです。
後手の角は飛車が成った後に9九角成と香を取ったり、1五歩と端から仕掛けたりできます。
先手としては、飛車よりも角をさばきたいところですよね。
後手の飛車のほうが働いているので、どうにか交換して後手陣に打ち込んでいきたいところです。
そこで、▲7七銀△6九飛成と成らせて、▲6八飛とぶつけて、龍が逃げれば金が取られてしまいますので、△同龍▲同金と飛車をさばくことに成功します。
手筋の歩打ち
△8八歩はよく出てくる手筋ですね。
▲同銀は△同角成と取られてしまいますので、取れません。
なので、▲4五歩と角を追っていきましたね。
△同桂▲同馬△8九歩成と桂交換。
▲3四馬と攻め合いにいくのもあったと思いますが、森村アマ王将は▲同馬と手堅くと金を払います。
桂の打ち合い
△4六桂に▲3六桂と打ちましたが、△7七角成と切られて、苦しくなったみたいです。
▲7七同金と金が離れてしまって、△5八銀から崩壊してしまいました。
ソフトは▲3四馬と攻めにいって後手が+200点ぐらいで、先手もまだまだ戦えるという判断でした。
投了図以下
△4八銀で森村アマ王将の投了となりました。
現状は△3九角▲同金△同龍までの詰みですね。
▲3九桂で詰みはなくなりますが、金を取って一手一手です。
良くなってから鈴木アマ名人が一気に寄せて、モノにしましたね。
素晴らしい将棋でした。