藤井聡太四段が22連勝した上州YAMADAチャレンジ杯での阪口悟五段との対局です。
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阪口五段は、角交換四間飛車の出だしから4→3戦法にしましたね。
玉を7筋まで進めてから3筋に飛車を振り直すことで、角交換して6五角の筋を消しているわけですね。
なので、乱戦の変化を避けつつ、角道を通したままにできます。
4→3戦法に対しては、△3四飛と浮いてきたときに、▲2二角成と角交換するのが定跡になっています。
ここですね。ここで▲2二角成△同銀▲6八銀と上がります。
これは、△7四飛と回ってきたときに、▲7七銀と形良く受けるためです。
ただ、ソフト的にはどっちでもいいようで、△7四飛と回ってきたときに▲2二角成△同銀として、▲7七玉と玉で受けてもいいようです。
形は悪くなりますが、相手も歩越しの飛車で飛車の使い勝手が悪いから同じだという考えなんだと思います。
藤井四段は定跡通り、▲2二角成ですね。
ここから囲い合って、阪口悟五段は2二銀も守りに使って、穴熊にしましたね。
ただ、そう簡単には囲わせないと藤井四段は▲3六歩から戦いを起こしていきました。
手抜いて△8二銀。
取っても▲同銀で銀が前に出てきて攻めが加速するだけですしね。
取らないほうが得策ということなんでしょう。
ただ、▲5六角△3三飛と飛車を退かされて、▲2四歩から攻めていきました。
一歩交換して満足し、飛車を引いて、阪口悟五段は角を合わせましたね。
▲4五歩と角交換は避けますが、△4四歩と角交換しに行って、▲同歩と別に角交換しても構わないと応じましたね。
歩が取れて拠点ができるのが大きいということでしょうか。
△3六歩▲同銀と金銀の連結を外してから、△5六角▲同歩に△3八角と打っていきましたね。
角成を防ぐのが難しいですし、飛車利きも怖いので、まずは飛車の利きを弱めるため、▲3五歩。
角成って、銀が出ていきましたね。
▲3四銀の両取りは△3五馬で逆に飛車取りになり、取れそうだった飛車が捌けた形になるのでちょっと損ですね。
ただ、金まで取れるので、一応は先手が指せる展開のようですが。
捌かせないように、▲2四銀のほうがいいでしょうね。
ここからは、飛車取って、攻め合いですね。
阪口五段は確実なと金攻め。
藤井四段はそれよりも速く攻める必要がありますね。
ということで、▲1六角から馬を作りに行きましたね。
阪口悟五段は飛車を取りに行って、飛車で攻めに行きました。
こういう展開はスリルがあって、見ていて楽しいですよね。
指している側は、かなり大変だと思いますが。
一手間違えば、すぐ逆転しますからね。
藤井四段はガジガジ流でバッサバッサ大駒を切っていきました。
穴熊相手には切っていくのが一番ですよね。
守り駒が邪魔ですし、守り駒さえ退かしてしまえば、逃げ道はありませんので。
ということで、金で張り付いて、守り駒を引き剥がしていきました。
ただ、大駒を全部渡した分、最後はかなり危ない状況になっていたようです。
ここで、△7四角とすると、寄せがなくて阪口五段が勝っていたみたいですね。
とはいえ、早指しの将棋。
ミスが出て、△8五歩と突いてしまい、▲9六金と出て、取れば△9七香で詰みですし、△8四玉と落ちれば▲8五金で詰みということで、投了となりました。
お互いミスもあり、人間同士の対局という感じで、これはこれで味があっていいですよね。