昨日行われた第2期電王戦二番勝負第一局を振り返っていきたいと思います。
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ついに名人をも凌ぐ強さになってしまいましたね。
いつか来るとは分かっていましたが、やっぱり残念です。
とは言え、まだ第一局。
もう一局ありますからね。
それに佐藤名人が今度は先手番になるので、勝機はまだまだあるでしょう。
電脳戦の第二局は、5月20日と一ヶ月以上ありますから、対策もしっかり練られるのではないかと思います。
ただ、名人戦があったりとハードスケジュールなので、どこまでできるかは心配な所ではありますが。
検討
それでは、検討していきたいと思います。
まずは、ポナンザの初手、▲3八金。
いきなり難しい手から飛んできました。
これはもう△6二玉として、新米長玉で対抗するしかないですね。
佐藤叡王は、そういったことはせずに、△8四飛と飛車先を突きました。
ごく自然な手ですね。
歩得vs手得どちらが有利なのか?
そこからは相掛かり模様になって、19手目▲3六歩。
これを咎めるのであれば、▲8六歩△同歩▲同飛△8七歩▲3六飛と取ってしまう手ですね。
佐藤叡王もその手を選んだんですが、その分、手損するのでどうかといった感じですね。
歩得と手得はどっちが大きいのか?
浮かむ瀬は、どちらも言えないようで、△3六飛と△8四飛と引く手と両方とも言っています。
ただ、最終的には△8四飛を推奨していたので、歩得よりも、手損するデメリットの方が大きいと見ているようですね。
とはいえ、どちらの展開になっても、評価値はほとんど変わらず、互角なので、どちらも指せるんだと思います。
中盤の攻め筋
そこからは駒組みが進んで、42手目に、佐藤叡王が△7五歩と突き捨て、▲同歩として、開戦。
ここからどう攻めるのか?
浮かむ瀬もかなり迷ってて、色んな手を言っています。
候補手では、△8五角△5四角△8八歩△7二金ですね。
△7二金は、守りの一手ですし、△7五歩自体が無理筋だったと認めるような手ですので、ちょっとやりたくないですよね。
なので、残り3つなんですが、こちらをちょっと見ていきたいと思います。
△8五角
これは、銀の動きに制限をかけるよりも、銀を取ってしまおうという一手ですね。
▲8六歩とした場合は、△6七角成に、▲同金は△8六飛が厳しいので、▲同玉の一手ですが、それでも△8六飛と走って、後手が指せるようです。
なので、△8五角には▲2九飛と引いて、△7五銀▲8六歩と突きます。
同じように、△6七角成▲同玉なんですが、このときに△8六飛としても、今度は桂馬にヒモがついているので、▲5八玉と引いておいて問題ないようです。
△8六飛に変えて、△8六銀なら、▲4五桂と攻めていくようです。
飛車先が重くなっているのがネックですね。
△5四角
続いて、△5四角ですね。
△8七角成▲同金△同飛成が入ったら終わりなので、これを受ける一手ですね。
意外と受けるのが難しいと思いきや、▲7七桂というすごい受けがあるようです。
△8七角成なら、▲8五歩でいいということですね。
なので、△7六歩▲6五桂と桂馬を退かすんですが、角の道が歩と桂馬の両方で塞がれていて、攻めにくいです。
△8八歩
そこで、△8八歩。
▲同金の一手ですが、ここで、△5四角と打つわけですね。
今度、▲7七桂としても、△8七角成が金取りで入ります。
そこで、▲8五歩として、互角みたいです。
▲7七桂に変えて、浮かむ瀬は▲8六角を推奨しています。
飛車先を受けつつ、銀も出られないようにする一手ですね。
ただ、角の使い勝手が悪いので、このまま使えないようにすれば、後手がよくなりそうな展開ですね。
本譜は、佐藤叡王が△9五歩と端攻めを見せたんですが、それがうまく行かなかった感じでしたね。
ソフト相手ですと、うっかりがないので、逆転が望みにくいのが難しいですよね。
一度離されると、そのまま持って行かれるので、どうずっとついていくか? これが重要になってくるような気がします。