将棋プレミアムフェスin名古屋2018の佐藤天彦名人と藤井聡太七段が対局した棋譜です。
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佐藤名人と藤井七段は朝日杯以来の2回目の対局ですね。
非公式戦とはいえ、楽しみな対局でしたね。
朝日杯では横歩取りでしたが、今回は角換わりになりましたね。
藤井七段は7二金型で右四間飛車にしました。
佐藤名人は玉が飛車道に入らないように5八にして、6八銀から6七に銀を組み換えにいきました。
そこで、△8一飛と戻って飛車先を交換しにいきます。
▲7七銀で飛車先を受けられますが、△6一飛と戻って、▲6八銀なら千日手模様ですね。
藤井七段は後手番ですので、千日手なら歓迎です。
なので、▲6七銀上と予定通り銀を組み換えました。
ノーガードの殴り合い
▲4五歩に△3五歩と桂頭を攻めた局面です。
▲2六飛と桂頭を守るのが自然ですが、佐藤名人は激しく▲4四歩と取って△3六歩とノーガードの殴り合いですね。
4五桂と逃げられますが、△4四銀と拠点の歩が外されてしまうので、難しいところですね。
攻め駒を攻めつつ受ける角
▲2四歩から飛車を走って銀取りに当たりますが、桂馬は飛車が通っていてヒモがついていますので、十字飛車ではないですね。
そこで、藤井七段は△3五角と飛車に当てつつ銀にヒモをつけるいい一手ですね。
▲4三歩△同玉▲3四角としてから、飛車を引きます。
単に引くのでは面白くないという判断ですね。ただ角が狭いですので、得かどうかは難しいところですね。
とは言え、藤井七段の角も狭くて、角交換で収まったので、そこまで悪くはないでしょうか。
桂跳ねから端攻め
お互い隙のないように駒組みを勧めて、藤井七段は佐藤名人に歩がないことを見越して、2五桂と跳ねていきます。
次に△1五歩▲同歩△1八歩~△1七歩といった端攻めの狙いですね。
香をすぐに取るか、含みに残しておくかは難しいところです。
佐藤名人は▲9五歩から香を渡して歩を取りにいき、△2六歩と桂馬を取りにいきます。
飛車の大転換
9五に飛車を回って、飛車を大転換しました。
こういう構想は横歩取りを得意としている佐藤名人らしい構想ですね。
飛車成りは受かりませんが、△5五歩から反撃してどうかです。
▲同銀△同銀▲同飛は△5四香が痛いですね。
飛車が逃げると玉の退路が一気になくなり、△5九角からかなり厳しくなります。
佐藤名人は▲4五桂としましたが、△2六角で先手を取りつつ受けます。
▲3七金と受けましたが、角を切っていって佐藤名人の玉を丸裸にします。
成香も働く
△2五桂に▲4八玉と左側に逃げようとしますが、△8七成香と成香も働いてきます。
さすがに玉から遠いので、この成香は働かないんじゃないかと思いましたが、しっかり働かせてくるのもさすがですね。
取れば、飛車成りでより早くなってしまいますし、逃げても桂馬を取ってから飛車が成られてしまいますので、▲9一歩成と攻め合いにいきました。
佐藤名人は飛車を取りにいきましたが、詰みとなりました。
投了図
以下、▲5七玉△4八銀までですね。