第49期新人王戦決勝三番勝負の藤井聡太七段と出口若武三段の第2局です。
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本局は角換わり腰掛け銀になりましたね。
序盤はどんどん指し手が進んでいきました。定跡の範囲内で持ち時間も3時間でそれほど多くはないということで、終盤に時間を使いたいということだと思います。
藤井七段が先に動いて、▲4五歩△同歩▲同銀としましたね。
▲同桂もありますね。△4四銀▲4六歩と支えて、次に▲2四歩を狙ってどうかという展開です。
▲同銀に△4五同銀は▲同桂△4四銀▲6三銀と打っていって、△同金は▲7二角で決まります。
なので、△5五銀とかわしましたね。
▲2四歩~▲2五歩の継ぎ歩攻め。
取らずに△4四歩という手もありましたか。▲2四歩は△2二歩と受けて、▲5六銀△同銀▲同歩△4七銀といった変化ですね。
出口三段は△2五同歩と取って、▲同桂△2四銀とかわします。
△8六歩を入れて、△4七歩。▲同金は△3八角ですので▲3八金△3七歩。▲同金は△4八歩成ですね。
▲3九金と引いて、△4六角。
玉をにらみつつ、飛車の頭も狙う味の良い角打ちですね。
▲2三銀成△同金▲4五角を狙う手もありますが、おそらく2三銀成は取ってくれないでしょう。
なので、先に▲4五角と打っていきましたね。
△4一飛とまわったほうが良かったでしょうか。玉が逃げたときに角に当たりますし、角が逃げたとしても拠点が残っていますので、攻めやすそうです。
出口三段は△8四飛と浮いて、この飛車が働かない展開になってしまいました。
馬を作りましたが、▲2八歩で馬が全く働かなくなってしまったのも辛いですね。
△2七歩が効けば良かったんですが、▲2三角成△2八歩成▲同金△3七歩が堂々と▲同金で取れてしまうのが辛いですね。
△4八歩成▲同飛△3七馬で金は取れるんですが、飛車道が直通なので▲4一馬△同玉▲4三龍が一間龍の形で寄り筋に入ってしまいます。
なので、△8五歩や△6五歩と反対から攻めるしかなかったみたいです。
▲4六銀と3七香から馬を使う狙いですが、それまでに手数がかかるということで、▲2三角成と攻め合いにいきます。
△3七香も▲同飛と取ってしまって、▲3三桂成からはがしにいきます。
この▲4三歩が厳しかったですね。
次に▲4一馬△6一玉▲6三香で金を取ってしまえば寄ります。
△8一飛と引いて、4一馬を飛車で取れるようにしましたが、▲4二歩成~▲8四香ともう一回飛車を引っ張り上げて、▲4一馬と入ります。
後はと金が寄っていって、駒をはがしていきます。
自玉が安全ですので、急ぐ必要もないですね。
金を取ってしまって、出口三段は△7二飛と粘りに行きましたが▲7五歩と桂頭を狙われて、△6二香▲7四馬としました。
飛車が入れば横に逃げられなくなるので▲4一飛と下ろせば寄りますね。
△8一飛と逃げて▲8四桂とさらに飛車を狙っていって、かなり厳しいですね。
ここで出口三段の投了となりました。
藤井七段最後の新人王戦は見事優勝となりました。
森内九段の17歳に優勝した最年少記録も更新して、16歳2ヶ月での優勝です。
これからもっと記録を作っていくと思いますし、かなり楽しみですね。