プロ間では、全く指されなくなっている筋違い角振り飛車戦法。
アマチュア間でも、それほど指す人は多くありませんが、中には得意とされている方もいらっしゃいますよね。
しかも、これが意外とやっかいな戦法で、なかなか指しにくいんですよね。
うまく指さないと歩損が響いて、負けてしまうことも…
なので、筋違い角の対策をしっかり持っていくことは重要になります。
今回は、その筋違い角振り飛車について見ていきたいと思います。
筋違い角とは
まず、筋違い角とはなんなのか? ということですね。
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先手後手どちらでも指せる戦法なのですが、角交換をして、先手なら▲4五歩、後手なら△6五歩と打つのが筋違い角です。
名前の由来は、その名の通り、本来いる位置と違う筋に角を打つからですね。
筋が違うため、本来の位置よりも角の働きが悪くなります。
なんでかというと、角の斜め一直線のラインが、1二~8九の位置になりますが、8マスですよね。
それに対して定位置のラインであれば、1一~9九の位置になりますので、9マスになります。
1マス分、動けなくなるので、働きが少しだけ悪くなるということですね。
ただ、筋違い角を打つことで、6三の歩か3四の歩のどちらかを取ることができます。
6三の歩が取れれば馬になれるので、これは好調ですね。ということで、△6二銀と受けて、▲3四角と3四の歩を取ります。
今度は、4三の歩が狙われているので、△3二金や△4二玉などで受けます。
これで1歩得にはなるんですが、筋違いに角を打っていて角の働きが悪くなっているのに加えて、駒組みが全く進んでいないんですよね。
後手は2二銀、6二銀、3二金と金銀が動いているのに対して、先手は角交換して角を動かしているだけなので、実質動いたのは7六歩だけですよね。
角は一応動いてはいますが、後手は手持ちにしていて、どこにでも打てますので。
盤上で角を動かしていても、手が動いていることにはならなくなります。
それですと、1歩得ぐらいでは割に合わないという意味もあって、プロ間では指されなくなっています。
とは言え、実際指されるとかなり難しいですし、優秀な戦法です。
ここから居飛車で攻める手もありますし、振り飛車にして攻める手もありますので。
今回は振り飛車にする戦法を見ていきたいと思います。
振り飛車にする場合は、四間飛車か向かい飛車が多いので、その2つを見ていきたいと思います。
筋違い角四間飛車の対策
まずは、四間飛車ですね。
一例としてはこんな感じです。
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まずは、筋違い角の対策としては、腰掛け銀があります。
銀を5四の地点に持ってくることで、角を封じやすくなるので、これが1つの対策ですね。
とは言え、ここからが難しいんですよね。
△3三銀と上がるのも、角の引き場所を聞きつつ、壁銀を解消しつつで、有力な一手です。
振り飛車にする場合は、5六、6七、7八のどこかに引くのが一般的です。
2五や1六は振り飛車とあんまり相性が良くない印象です。
なので、5~7筋に引いたときについて紹介しています。
取りあえず、玉を囲い合って、戦いを起こしてもいい陣形にします。
相手もすぐに手があるわけではありませんので、囲えば囲うと思います。
ここからが筋違い角対策です。
▲4四歩~▲4五歩と突いていきます。
こうすることで、角の働きを悪くします。
とにかく筋違い角対策は角を働かせないことになりますので、角が使えなくなれば、自然と良くなっていきます。
▲4四歩に対して、△4六歩と突いて、▲4五歩と突かせないようにする手も考えられますが、これはあんまり問題ありません。
これには、△4三金右とさらに形を整えていきます。
▲5八金左などしたときに、△4五歩と突いていきます。
▲同歩と取れますが、△3四金とあがって、歩を取り返しにいきます。
△4五金とすぐに取りにいってもいいですし、△4二飛とまわってさらに足すのも有力です。
ただ取りに行く場合は、金で取りにいくのが重要です。
△4五銀は▲6五歩が受からなくなってくるので、少し苦しくなります。
筋違い角向かい飛車の対策
続いて、向かい飛車ですね。
向かい飛車でも基本的な考えは同じです。
まずは、玉の囲いを優先させます。
△4五歩も入れて、角の働きを悪くしたい所なんですが、向かい飛車の場合、効果が薄れます。
というのも、▲5六角と出る手があり、次の狙いとしては、▲8五歩△同歩▲8三歩という手があります。
なので、向かい飛車の場合、△4五歩は保留しておいたほうがいいと思います。
保留しておけば、▲5六角は△4五銀と出て追い返すことができます。
後は、△4二金右と金もくっつけて、固めて相手の手待ちですね。
それでも何もしてこなければ、△1二香から穴熊にいくのも有力です。
四間飛車でも向かい飛車でもこうすれば絶対に良くなるみたいな対策はありませんので、難しい将棋ですね。