ソフト同士の対局で面白い対局がありましたので、そちらをご紹介したいと思います。
YaOu_V488_nnue_0928 vs AobaZero_w777_n_p20k_t32_b6
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矢倉の出だしから、△3四歩に▲7七角とあがって、雁木模様にしてから、袖飛車にしました。
無敵囲い模様で急戦へ
囲いは▲6八銀、▲4八銀とあがっただけで、5八飛となれば、無敵囲いですね。
この無敵囲いの飛車がいない形のまま攻めていきます。
△4三銀と雁木にしますが、▲3四歩と垂らします。
あんまり効いているようには見えませんが、YaOuはこの歩が攻めの拠点になると見ているということでしょうね。
ドルフィンは、△2四歩~△2三金ですぐにとがめにいく筋を読んでいました。
AobaZeroは、△6二銀と駒組みを進めます。
ただ、▲1五歩からどんどん攻めていきます。
なので、もしかしたら△2四歩にも▲1五歩から仕掛けていく狙いだったのかもしれません。
△同歩▲同香△1三歩と受けます。
△同香と取ると、▲同飛△1四歩▲1六飛といった展開ですね。
守りの香と攻めの香の交換で先手が有利ですし、飛車も手順に4段目に引けるのも嬉しいです。
△1三歩に▲3七桂~▲2五桂と桂馬で一気に攻めにいきます。
桂馬を咎めにいく
▲2五桂と跳ねて飛車の横利きがとまった瞬間に、△1四歩と香を取りにいきます。
これがあるので、AobaZeroは▲2五桂は大丈夫と読んでいたのではないかと思います。
ただ、▲同香△同香▲1五歩△同香▲3三桂成△同桂▲1五飛と香が取られます。
先手としては桂損ですが、3四の歩が桂馬に当たっていますので、これが取れるということなのでしょうか。
そもそも、桂損ぐらいは気にしないというソフトも多いので、桂馬が取れても取れなくても、あまり気にしていないのかもしれません。
△3四銀と歩を払うこともできますので、桂馬が取りきれるというのも、難しいところですし。
▲1二飛成は、△1一香▲2一龍△3一金ですぐに捕まってしまいますので、飛車が成れません。
なので、本譜でも後で出てきた筋の▲6六角~▲8四香を飛車を狙っていく展開になりそうです。
それで、手になっているということなのでしょうね。
ちなみにドルフィンは△3四銀の局面で+90ぐらいのほんの少し先手持ちといった感じでした。
AobaZeroは△1四歩と受けて、▲同飛なら△1三香で飛車が取れます。
ただ、▲3三歩成△1五歩▲2二と△同金と飛車を見捨てました。
その分、桂馬が取れましたので、駒損はなくなりましたね。
飛車を狙う▲6六角
▲6六角とあがって、次の▲8四香を狙っていきます。
受けるのであれば、敵の打ちたいところに打てで、8四に桂馬か香を打つしかないですね。
ただ、居玉で囲いも弱いということで、攻め合いに活路を見いだし、△2九飛と打っていきます。
当然、▲8四香ですね。
飛車が逃げても香が成って、すぐに飛車が取られてしまいますので、△3六桂から攻め合いですね。
厳しい大駒3枚の攻め
AobaZeroは成り駒を作って、なんとか攻めて、4九飛成までの詰めろですね。
ただ、角角飛車の大駒3枚の攻めが厳しくて、△5二玉と立ちましたが、▲4一銀~▲6二飛成と銀をボロっと取ります。
すぐには寄りませんので、一度▲6九玉と手を戻して、自陣を安全にしてから、攻めきります。
投了図
YaOuが寄せきって、勝ちとなりました。
自玉が薄いので、かなり反動が激しく、難しい戦法ですが、攻めるのが好きな方にはもってこいの作戦ではないかと思います。
雁木が攻めにくくて困っている場合は、試してみるのはどうでしょうか。