第26期銀河戦での藤井聡太四段と平藤眞吾七段との対局です。
以前にも対局していて、そのときは角換わりの対局になり、藤井四段が6五桂急戦で攻めていきました。
そのときの対局はこちらです。
これで2回目となる本局。
平藤七段の作戦は・・・
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ひねった作戦で、面白い対局になりましたね。
ポイントを振り返って見ていきたいと思います。
序盤:平藤七段が振り飛車とみせて雁木と思わせて…
平藤七段はすぐに角道を止めて、振り飛車にするのかと思いきや、振らずに雁木模様に組みましたね。
それに対して、藤井四段は早繰り銀の構えで、すぐに銀を繰り出していきました。
角が上がっていて、角は頭が丸いので、それを咎める意味もありますね。
ここから平藤七段は振っていって、四間飛車にしましたね。
ただ、藤井四段の陣形はそんなに乱れていなくて、どちらにも対応できる陣形なので、振られてもそんなに困らないのではないかと思います。
逆に平藤七段は3二に上がった金をどうするかですね。
玉の守りには使えないので、バランス型に構えることになりますが、金が遊ぶ展開になると悪くなりそうですね。
ここから駒組みが進んで、お互い銀冠ですね。
平藤七段は、2筋に飛車をまわって飛車先の逆襲を狙っていきました。
ただ、▲5五歩と藤井四段が先にしかけて、△5一飛とまわって、▲5八飛とお互いにまわり合いました。
ここからは駒がぶつかって中盤ですね。
中盤:負けられない5筋争い
藤井四段は銀の応援も使って、飛車角銀での攻め。
全部で攻められたら勝てないので、平藤七段は角を狙って、藤井四段の攻めを緩和させました。
平藤七段は、まだ銀冠の中に玉が入っていませんからね。
まだ銀冠の外なので、まずは囲いの中に玉を入れないことには始まらないですね。
逆に藤井四段からすれば、自陣の陣形は整っていて、相手の陣形は遅れているので、どんどん攻めていきたいところですよね。
ここから、平藤七段が大きな戦いは避けつつ小競り合いに持っていき、玉を囲わすことに完成。
これで、平藤七段も強く戦うことができますね。
ただ、藤井四段は6筋の位を取ることができて、角も転換できました。
攻めの形をしっかり作ることができたので、平藤七段の方が苦しいでしょうか。
そして、角交換して、平藤七段は角を成りに、藤井四段は桂得に成功します。
馬はできましたが、藤井四段の銀冠が硬くて、攻めるのが難しそうですね。
平藤七段は、金と銀が攻めにも守りにも参加していなくて、遊んでしまっているのが辛いですよね。
飛車成りを防いでいるので、全く守りに効いていないわけではありませんが、取り残されている感はあります。
終盤:藤井四段の盤石な寄せ
▲7五歩と桂頭を狙って、△同歩に▲5三角と打っていきましたね。
飛車取りと角成りの狙いですね。
△6一飛と引いて逃げて、角成りよりも厳しく▲7四歩と打っていきました。
△同銀と銀を吊り上げて、▲7五銀と銀をぶつけていきましたね。
△5二銀と根本の角を狙いにいきますが、▲6四桂のふんどしの桂。
攻めが鋭いですね。
玉を守っている駒以外は一切興味がないという感じで、玉の守りを引き剥がしにいっています。
金銀取られて、玉の守りを全部はがされてしまいました。
平藤七段は攻め駒を攻めて、なんとか応戦するんですが、藤井四段は攻め駒をどんどん足していって、攻め駒を攻めることもできず…
ここで投了となりました。
3二の金は結局、取り残されてしまいましたね。
藤井四段が金を相手にしない差し回しで、素晴らしかったです。
藤井四段、柔軟な差し回しで、力戦に対しても全く問題ないという感じですね。
こうなってくると、振り飛車に弱いという話も信用性がなくなってきますね。
弱点とかあるんですかね。今の所、全くなさそうな感じですが…
この先、おそろしくなるのは間違いなさそうです。