第67回NHK杯の藤井聡太四段が13連勝となった千田翔太六段との対局です。
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先に勝敗が解っているのでなんだかな~という気がしないでもないですが。
ただ、どんな対局になったかは分からなかったですし、そちらのほうが重要なのでいいにはいいですが。
ということで、対局を見ていきたいと思います。
相腰掛け銀の戦いとなりましたね。
先後ほぼ同形で、▲2五歩と突いてないのと△4四歩を突いていない違いがあるだけですね。
その違いがどう出るか? ですね。
ここから、千田六段は▲4五銀とぶつけていきました。
△同銀は▲同桂が銀に当たってくるのがイヤですね。
△4四銀と逃げるしかありませんが、▲6三銀と放り込まれて、△同金は▲7二角ですから、△6一金と引くしかありません。
ここに銀を効かされるのはイヤですよね。
ということで、▲4五銀には△6三銀とおとなしく引きましたね。
▲2五桂△2二銀▲3四銀とさらに攻め立てていきます。
ここで、△4二玉と引いた玉をまた戻しましたね。
壁銀の形で玉の逃げ道もないですし、2筋から攻められているから戦場から遠ざける意味もあるでしょうか。
▲5六角とさらに攻め立て、△5四歩に▲1五歩と端歩も絡めていきました。
それに対して、藤井四段は△4一角と2筋と端に効かせました。
ただこれが悪手だとソフトは言っていました。
エルモ、技巧2、浮かむ瀬のどれに読み込ませても、この1手で1300点以上先手に振れますので、かなり悪いと言っていますね。
この後は、▲1四歩と取り込んで、△5五歩▲4七角△5一玉となり、▲1八香から▲1九飛の地下鉄飛車で攻めていくようです。
ただ、千田六段はその攻めだと単調すぎるということで、▲9五歩と反対の端歩も突き捨てました。
ここで、評価値がまた戻りました。
△同歩と取ったほうが良かったみたいですが、△1五歩と取ったので、また千田六段に1000点近く振れましたね。
ここから評価値がずっと揺れ動いているので、そんなに気にしなくてもいいのかなと思います。
プロでも時間の短い対局であれば、悪手も指すということで。
その後も、千田六段がなんとか手を作って、藤井四段を受ける展開が続きました。
ここで馬を見捨てて▲7三と。
銀も取られてしまいますし、馬を守ってても仕方ないという所でしょうか。
△9五香に▲6二と△9九香成。
こうなると、攻め合いに持って行けて、藤井四段のほうが指しやすいでしょうか。
銀取りも残っていますし、角出る手も面白そうですし。
指したい手が藤井四段の方が多いような気がします。
藤井四段は両端から攻めていき、△7四角と王手で角が出ましたね。
しかも、ここから詰みって…
20手詰みをこの短時間の対局で読み切りますか。
終盤力がスゴすぎますね。