第48期新人王戦の藤井聡太四段と大橋貴洸四段との対局の棋譜を並べてみました。
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144手で、藤井四段の勝利となりました。
戦型は、角換わりの腰掛け銀になりましたね。
大橋四段は昔ながらの腰掛け銀で、藤井4段は最近流行りの6二金型ですね。
玉の守りよりも、バランス重視の構えで、千日手も含みに入れた陣形ですね。
ここから右玉にしたりもして、柔軟な戦いができるのもこの陣形の特徴です。
藤井四段は、すぐに仕掛けにいきまして、△6五歩と開戦。
ただ、すぐには攻めれずそこからまた駒組みですね。
1歩交換して満足といった感じでしょうか。
先手としては、陣形も整ったということで、53手目に▲4五歩と仕掛けに行きます。
△同歩ですと、▲3五歩も突き捨てる感じでしょうか。
これも△同歩ですと、▲4五桂と跳ねて、△4四銀に飛車先の突破ができればいいんですが、ちょっと難しそうですかね。
本譜は取らずに、△7五歩と攻め合いですね。
ここからの大橋四段の手の作り方は参考にしたい所ですね。
▲5五歩と銀をどかして、▲6三歩と金もどかすと。
△同金であれば、▲7二角の受けるすべがありませんから、逃げる一手ですね。
そこから▲4四歩と銀を吊り上げて、▲2六角。
次に▲4五歩がありますから、敵の打ちたい所に打てで、△4五歩と先に打ちました。
角が成られても、桂馬が取れればいいという判断ですね。
82手目△2八成銀。
この前に、△9五歩▲同歩と突き捨て入れてからなんですよね。
こういう呼吸なんですね。
なかなか分かりにくい所がありますが。
これは、▲6二歩成△同金と成り捨てて、▲2七馬の飛車・成銀の両取りを嫌った手ですね。
118手目△8四角。
▲9四歩と角を追われて、このままと金を作られながら角を取られるのは、ひどいので、△8四角と仕方なく香車の前に出た一手ですね。
これを▲同香としますと、悪くなるようで、△8五桂が厳しくなってきますね。
玉の逃げ道を無くされつつ、と金も作られてしまいますから、これは先手悪いです。
ということで、大橋四段も取らずに、▲5四銀。
ここで、藤井四段は、△8五歩とまた悩ましい一手。
取ると、どうされたんでしょうか。
△9五角と覗いて、玉の退路を狭めていたんでしょうか。
ここ浮かむ瀬も揺れていて、▲同香としていたり▲4三銀成や▲2五馬など、色んな手を言っています。
本譜は全部無視されて、攻め合っています。
ただ、130手目△3五玉とされて、先手の攻めがなくなりましたね。
まさに桂頭の玉寄せにくしですね。
後は、藤井四段が寄せ切って勝ちですね。
投了図。
以下は、▲8九玉ですと、△9八銀までですので、6七か6八、6九のいずれかですね。
▲6七玉ですと、△7七金▲同玉△6六銀▲7八玉△7七歩▲8九玉△8八歩▲9九玉△8七桂▲8八玉△9七金▲8九玉△7九桂成▲同玉△7八飛▲6九玉△5八馬までです。
▲6八玉は、△5七銀▲6七玉△7七金▲同玉△8七金▲6七玉△6六銀成▲6八玉△5七成銀▲6九玉△5八成銀まで。
▲6九玉は、△5八銀▲6八玉△6七歩▲同金△同銀成▲同玉△6六金▲6八玉△5七金▲6九玉△5八金までです。