将棋は、色んな戦法があり、新しい戦法が次から次へと生み出されていますが、
初心者が行う場合、どの戦法がいいのか? ということでお伝えしたいと思います。
もちろん、この戦法が好き! という場合はその戦法で構いません。
好きな戦法を指すのはとっても大事ですし、それに何より、楽しいですので。
将棋は楽しんでなんぼですので、楽しいことをするのが一番です。
ですが、特に好きな戦法がない…、そもそもどんな戦法があるのか良く分からない…
そういう場合にオススメしたい戦法をお伝えしますね。
初心者にオススメ!中飛車戦法
私がオススメしたいのは、中飛車という飛車を5筋に動かす戦法です。
飛車を真ん中に持ってくるので、中飛車。
実に簡単ですね。
なぜ中飛車なのか?
中飛車をオススメする理由は、攻めにも守りにも適しているからです。
攻める場合、中央を攻めていけばいいので、相手の玉が左に行ったとしても右に行ったとしても、ある程度近い位置を攻めることができます。
なので、相手の玉を取りやすくなるわけですね。
相手の玉を取れば勝ちですので、攻めやすいということはそれだけ勝ちやすいということにつながります。
ただ、こちらが一方的に攻められるのか? というと、そんなこともなくて、当然相手からも攻められます。
そのときに、相手から右から攻められても左から攻められても、バランス良く構えることができるのです。
つまり、どこから来ても守りやすいということです。
攻めてよし守ってよしで、バランスが取れているから中飛車がいいわけですね。
駒組みの方法
中飛車の良さは分かっていただけたかと思います。
それでは、どのような駒組みをすればいいのか? ということをお伝えしたいと思います。
大まかな流れとしてはこんな感じです。
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初手から詳しくお伝えしていきますね。
先ほどは便宜上、▲5八飛とすぐに飛車を真ん中に動かしたんですが、実践では飛車を動かすより先に、▲7六歩と突いて、角道を開けます。
これは、△8四歩△8五歩と飛車先を突いてきた際に、▲7七角と角が上がって受けられるようにするためです。
まだ分かりにくいかもしれませんが、後で詳しくお伝えしたいと思います。
取りあえず、先に進めますね。
▲7六歩に対して、基本的には△8四歩と飛車先を突くか△3四角と同じように角道を開けるかのどちらかの手を指されることが多いです。
△8四歩と飛車先を突いてきた場合には、▲5八飛と回って中飛車にします。
ただ、△3四歩と角道を開けてきた場合は、角が睨み合っていて、少し危険な状態ですので、△6六歩と角道を止めることをオススメします。
これも詳しくは後で説明しますね。
このように△8四歩と突いてきたら、▲5八飛ですね。
△8四歩以外の手を指されても、基本的には▲5八飛で問題ありません。
△3四歩と角道を開けた場合だけ、▲6六歩と角の衝突を避けるようにしてください。
相手はさらに△8五歩と突いてきました。
このままですと、△8六歩とさらに突いてきたときに、8筋が受からずに、相手が有利になってしまいますので、▲7七角と上がって受けます。
これで、△8六歩と突かれても、▲同歩と取って、△同飛▲同角と取ることができます。
このままだと攻めきれないので、相手は△3四歩と角道を開けて、角も使って攻めていこうという狙いです。
こちらは、相手が角道を開けたら、角の衝突を避けるため、▲6六歩ですね。
これで、角がぶつからずに一安心。
相手も特に攻める手はありませんから、玉を囲いに行ったり、銀が出てきて、さらにこじ開けようとしてくるはずです。
ただ、こじ開けようとしても、まだまだ時間が掛かりますので、問題ありません。
ここからは特に相手の手を見る必要もなく、▲7八銀と上がります。
次も特に見る必要もなく▲6七銀と上がります。
▲6八銀と上がったのは、この▲6七銀とあげるためですね。
ここに銀を持ってくるのが狙いで、ここに銀があることで、角頭を守ることができるんです。
角頭は弱点になりやすくて、そこから攻められてしまいます。
なので、その角頭を銀でしっかりと守る必要があるわけですね。
その後、▲7八金と上がります。
これは角の負担を減らす狙いがあります。
このままですと、角が動いてしまうと、△8六歩から攻められてしまいます。
例えば、相手が△6四歩、△6五歩と無理やり角道をこじ開けてこようとした場合ですね。
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このように、受けることができるため、角がいなくなっても、問題なくなります。
なので、▲7八金と上がっておきます。
それでは先に進めますね。
玉が真ん中にいるのはあんまり良くなくて、攻められたときに、玉がすぐ取られてしまいますので、玉を動かして、取られないようにします。
ここも特に相手の手は気にせずに▲4八玉と上がって問題ありません。
次もどんどん玉を動かしていきます。
特に相手の手は気にせずに▲2八玉とここまで玉を持ってきます。
もし、△1四歩と玉が逃げている側の端歩を突いてきた場合は、こちらも▲1六歩と突き返しておきましょう。
もちろんこれにも意味はあって、8筋から攻めてこられたときに、1七から2六と上に逃げ出すことができるからです。
逆に相手から、△1五歩と突きこされてしまうと、逃げるのが難しくなってしまうわけですね。
次にやっておきたい手がこの▲3八銀と銀が上にあがる手ですね。
片美濃囲いという囲いなんですが、銀が1つ上に上がるだけで、銀と金が連結して、硬い形になります。
城で言うなら城壁ですね。
しっかりとした壁を作り上げることで、相手が攻めにくくなります。
次にやっておきたいのがこの▲5九飛。
飛車を下げる手ですね。
下に飛車を置くことで、硬くなることもそうですし、将来的に銀が取られたときに、△6九銀の飛車・金両取りがなくなります。
これですね。
これをされると、守りが薄くなって、攻められやすくなってしまいます。
なので、これをなくすために飛車を引きます。
多少の順番は前後しても構いませんので、この形になるように目指してください。
この形さえ作れれば、ある程度はなんとかなると思います。
攻め方
陣形が整ったら、いよいよ開戦です。
つまり攻めて行って、相手の玉を取りにいくわけですね。
もちろん、攻め方も色々とありますし、相手によって指し方が違いますので、それによって変える必要も出てきます。
出てきますが、簡単に攻められる方法を今回はご紹介したいと思います。
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大まかな流れはこんな感じです。
それでは、また見ていきたいと思います。
▲6五歩と今まで閉じていた角道を開けます。
今度は開戦するので、角がぶつかっても問題ありません。
角道を開けたら角交換ですね。
角がいなくなったので、▲7七桂と桂馬が跳ねます。
桂馬を攻めに使っていくのと、飛車の横利きを開ける狙いですね。
相手も黙っていなくて、△8六歩から攻めてきます。
ただ金がいるので、こうやって▲8七歩と打って、飛車を追い返しておけば問題ありません。
飛車が逃げれば、▲8九飛と回ります。
後は、▲8六歩、▲8五歩と突いていきます。
ここまで行ければ勝ちですね。
後は実践あるのみ。
何度も指していくことによって覚えていきますので、だんだんどう指せばいいかも分かってきます。
その上で、中飛車より別の戦法をやってみたくなったら、そっちをやってみればいいだけですので。
最初はとにかく指すこと。
これが上達の近道だと思います。