第21回京急将棋まつりの中村太地七段と棋士Tこと都成竜馬五段が対局した棋譜です。
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棋士Tは、都成五段のことでしたね。
公式戦の都合上、誰が出場できるか分からないということで、棋士Tと濁しておいたとのことでしたね。
こういうのも、色々と予想ができて、面白いですよね。
将棋のほうは、都成五段が雁木にして、中村七段は左美濃にしました。
飛車先は受けない
雁木に対しては、▲7七角と飛車先を受けるのもありましたが、最近は左美濃にする場合は、対矢倉でも雁木でも飛車先を受けないことが多くなってきましたね。
飛車先を受けると、△7四歩~△7五歩と角頭を狙われて、逆に攻められてしまいますので、それを嫌って、▲7七角と上がらなくなっています。
中村七段としては、囲いは完成ですので、後は攻めるだけですね。
都成五段はどう迎え撃つかですね。
研究を出し惜しみなく見せてくれる都成五段
△6二金は解説の渡辺三冠も珍しいと話していましたね。
将棋イベントではなく、公式戦で指したほうがいいと話していましたが、都成五段は出し惜しみなく、見せてくれました。
通常の雁木は5二金と硬くすることが多いですが、6二金は角換わりでも良く出てくるバランス型ですね。
▲4五歩を突けば、戦いになりますが、▲9六歩と様子見。
△7三桂▲1六歩と両端を突いて、△8六歩から一歩交換しつつ、△8一飛と下段飛車にできました。
どう手待ちするか?
▲6六歩~▲4五歩と中村七段は仕掛けていきます。
△同歩▲同桂は両取りになってしまいます。
6六歩を突いていなければ、△8八角成▲同玉△4四銀右とかわすことができますが、角交換はできませんので、角か銀のどちらかは取られてしまいます。
なので、都成五段としては、何かしてもらうしかないですが、どう手待ちするかですね。
△5二玉と中住まいにして、▲6七金と中村七段も高美濃にします。
またもう一手、手待ちする必要がありますが、9四歩、1四歩と端を突き返すのもありますが、もう一方を突き越されて、また考える必要がありそうです。
ということで、△6三金~△6二玉と右玉に組み替えていきます。
6三金とあがった瞬間が怖いですが、大丈夫ということなんでしょう。
▲4八飛とまわって、△6二玉までは入れられましたね。
そこで、△4四歩から開戦になりました。
角交換から角打ち
角交換して、▲4六角と打っていきました。
玉頭をにらんで、6四歩と打てば金が取れますし、3五角と歩を取って王手にもなります。
ここで、△5二玉とかわしたほうがいいというのが、ソフトの読みでした。
それで450点ぐらい良かったみたいですが、△6四角と合わせて、互角になったようです。
金が吊り上がってしまうのが悪いということなのでしょうか。
ただ、5二玉も戦場に玉が近づきますので、怖い手でもあります。
5筋・6筋の争い
5筋と6筋での戦いになり、△5五歩に▲6五歩と合わせていきました。
銀を取ると金が取られてしまいますので、銀を取る手はないですね。
ここで、△5四銀とあがったのが危なかったみたいです。
△5四金と角道から避けて、▲6五桂△6四歩でおさめてしまったほうが良かったようです。
痛い両取り
▲5六桂の両取りが入ってしまって、これがかなり痛いですね。
△同歩▲6四角と金が取られます。
都成五段は△4六歩▲同飛△5五銀打でなんとか切り返します。
ただ、駒損が激しくて、玉も裸ですので、持たなかったですね。
投了図以下
▲5三歩成で、都成五段の投了となりました。
以下は、△7二玉▲6二と△8二玉▲5五角△7三金▲同角成△同玉▲7二金△8三玉▲7三金打△9二玉▲8三銀△同飛▲同金△同玉▲8二飛までとなります。