電脳戦第2局でも佐藤天彦叡王がPONANZAに敗れて、名人が2連敗という結果になりましたね。
残念ではありますが、科学の進歩が凄まじいという1つの証明にもなったんじゃないでしょうか。
今は色んな分野で、発達していて、自動運転までできそうになっていますからね。
ほんの10年前まで、SFだけの話だったのが実現する…
本当にスゴいことだと思います。
とまぁそれはどちらでもいいんですが、電王戦の佐藤叡王とPONANZAの棋譜を見ていきたいと思います。
>
検討
佐藤叡王の▲2六歩に対して、PONANZAは△4二玉。
2筋から攻めていこうというのに、いきなり戦場に玉を近づけるというスゴい一手。
PONANZAは後手の場合、9通りぐらい初手があるとのことで、これは予想できた手みたいですね。
ただ、そこからは普通の角換わりの対局になりましたね。
佐藤叡王は▲3七銀と上がって、▲4六銀から早繰り銀の構え。
それに対してPONANZAは△5一銀と銀を引きました。
本来なら△7四歩から△7三銀にして、同じように早繰り銀にしたり、△6四歩から△6三銀、△5四銀と腰掛け銀にするのが普通だと思いますが…
PONANZAは引くんですね。
これですと、攻めるのは難しいので、徹底的に受けようという構えなんですかね。
ちなみに、エルモも一応△5一銀を読んでいたので、ない手ではないようです。
ただ、エルモの最善手は△4四歩みたいですが。
ここから、佐藤叡王も少しひねって、▲2六銀と棒銀にしましたね。
ここは研究通りだったのかどうか。気になります。
本来の棒銀と違って、▲3六歩を突いていますから、飛車の小瓶が開いていて、角の筋が気になる所ですね。
また、棒銀に対してPONANZAは△2二銀と引いて、銀交換させないように構えて、歩の交換を所で、△6四角と小瓶が開いているのをとがめに行きました。
これに対しては、▲3七角と合わせるしかないですね。
さらに、△1四歩△1五歩と端の位まで取りに来ました。
反発していきたいところですが、なかなか難しいでしょうか。
▲1六歩△同歩▲1五歩とやっても、▲1六香と走れないので辛いですね。
▲1六香には、△1八歩という切り返しがあり、▲同飛は△3七角成▲同銀△2七角と打たれます。
金と飛車を取られるわけにはいきませんから、▲4八飛と回るんですが、△1六角成とされて、悪いですね。
なので、ここからはお互い駒組みを進めていきましたね。
佐藤叡王は穴熊ですね。
これは最初から穴熊にしようと思っていたのか、それとも端の位を取られたから穴熊にしたのか。
気になります。
佐藤叡王が▲5五歩と戦いに行った所で、△5六角の切り返し。
この4筋の歩を受けるのが難しいですね。
▲4八飛と飛車で受けたんですが、飛車の負担が大きいですね。
ほとんど使えない形にさせられてしまいました。
△7五歩と銀の頭を攻めに行きました。
守り駒を少しずつ剥がしていこうという狙いですね。
穴熊は確かに固いですが、守り駒がなくなると、逃げ道がないので、すぐ詰んでしまうのが難点ですよね。
その前に攻めれれば、穴熊の暴力みたいなこともできますが、PONANZAは完全に押さえ込んで、それも許してもらえず…
銀がどんどん上ずってしまいました。
ここで、▲7四銀という面白い受けもあったみたいですね。
△同角なら▲7三角成と飛車・角取りで、△6三金としても、▲7四馬△同金に▲5三歩成が入ります。
なので、△5六角と逃げるんですが、結局▲5三歩成が入りますね。
△同金は飛車が取れますので。
なので、こっちの方が良かったかもしれませんが、▲9四銀と桂頭の方に行きました。
後は角切って飛車成ですね。
ここの手順も見事としかいいようがないです。
▲7八角と受けましたが、△6三竜と冷静に引かれて、盤石になりました。
もう後手陣は寄り付かないですし、先手陣はバラバラなので、勝ち目がないですね。
結果は負けとなってしまいましたが、なかなかいい将棋だったんじゃないでしょうか。
またこういった対局を見たいので、またどこかでこういった企画をやってくれればなぁと思っています。