コロナウイルスにより、将棋イベントなども中止ということで、将棋倶楽部24にて、木村一基王位が駒落ち指導対局をしてくださいました。
その様子がユーチューブでライブ配信も行われていて、動画が見られます。
木村王位の受けが参考になりますので、ぜひご覧ください。
1局目:2分55秒~ 飛香落ち
2局目:1時間27分16秒~ 飛車落ち
1局目:飛香落ち
1局目は飛車と香車の2枚落ちですね。
1筋に香がいなくて弱いということで、端から攻めて龍を成り込んでいきます。
龍ができたのは大きな成果ですね。
ただ、ここからどうするかが難しいところです。
木村王位が△2二角と龍に当ててきた手に対して、どこに逃げるのか。
実践では▲1六龍でしたが、木村王位は▲1二龍△1一歩と打たせて、▲1四龍~▲1五桂を狙っていく手もあったと感想戦で話されていましたね。
△1一歩に▲2一龍と入ってしまうと、△3一金で捕まってしまうので、△1一歩には引く一手です。
木村王位の反撃
上手は元々駒が少ないので、全部受けることはできないですね。
ということで、どこかで反撃に出る必要があります。
その反撃に出た局面です。
7筋の歩を伸ばしていき、拠点にします。
木村王位にとっても玉頭ですので、怖いところですが、多少のリスクは仕方ないですね。
▲同龍と取ることはできますが、△7五歩~△7六桂で両取りがかかります。
取れないということで、▲2四歩から攻めにいきますが、この歩が良い攻めの拠点になりました。
攻めを遅らせる手筋
木村王位が嫌がらせと言っていた一手。
△2七歩と垂らして、▲同龍と取ると、1四龍からの攻めがなくなります。
▲同銀ですと、金銀の連結が外れます。
もちろん、無視して▲1四龍から攻めあいにいくのもありますね。
ただ、と金ができて、2筋と7筋から挟撃になりますので、かなり気持ち悪いです。
ということで、▲2九銀で受けました。
徐々に木村王位ペースに
1四龍からなんとか攻めにいこうとしますが、△7七桂と先に玉に手がかかり、木村王位のペースになりました。
▲同桂からさっぱりするのもありますが、△6五桂から攻めが続きますので、かなりうるさいです。
仕方なく▲5八玉と逃げて、△8九桂成から角も取られてしまい、かなり苦しい展開になりました。
2局目:飛車落ち
2局目は飛車落ちですね。
序盤は定跡通りのようで、右四間飛車で進みます。
駒落ちの定跡は分からないので、序盤も参考になりました。
その後、桂交換から端攻め。
▲6六角と角が出て、香取り。
香を受けるだけなら、△8二玉ですが、危険地帯に自ら行くことになりますし、▲7七桂とさらに足されて、後手後手になります。
ということで、「大駒は近づけて受けよ」という格言通り、△8四歩。
▲同角なら△8三玉で先手を取って受けることができます。
取らずに、▲7七桂と圧力を加えていきます。
桂馬が跳ねることで、8筋も狙いつつ、▲9八香~▲9九飛と地下鉄飛車にして、飛車も攻めに参加させることができます。
攻め駒の効きをそらす妙手
▲9八香と地下鉄飛車を見せた手に対して、△5五歩と突きます。
▲同角なら角の効きがそれて、脅威が和らぎます。
また、△5四銀と出て、使えていなかった銀が働いてくるのも気になるところですね。
ということで、▲同銀と取りましたが、△5四桂で角が捕まってしまいます。
感想戦で木村王位は▲同角△5四銀に▲9九飛という手を推奨していましたね。
角銀の交換にはなりますが、攻め駒として使えますので、そこまで悪い交換ではありません。
その後は端からなんとか攻めますが、木村王位がしっかり受けきって、勝ちとなりました。