5手目に6六歩の矢倉はソフト発祥の居角左美濃急戦で終わったとされていましたが、さらに強いソフトで6六歩でも受かるとされていて、矢倉でも十分指せるということになっています。
将棋ソフト同士で対局するfloodgateでも5手目6六歩からの矢倉もかなり指されています。
そんな中、5手目6六歩の矢倉に対して、LFXという高レーティングの強い将棋ソフトが面白い手を指していましたので、そちらを紹介します。
elmo_WCSC27_479_1000k vs LFX
エルモ囲いでも有名なelmoとLFXの対局になります。
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まずは居角左美濃急戦のように△6四歩から腰掛け銀を目指します。
▲2五歩に対して、△4四角と受けるのが新しい受け方ですね。
局面はわかりやすいように先後を反転しています。
ひと目は▲2四歩ですよね。
△同歩に▲同角は△3三桂で次が続きません。
▲同角成△同角▲2一飛成は△2二飛とぶつけてもいいですし、△6七角から攻め合いにいく手もあります。
▲2三飛成は△3二銀▲2六龍△6五歩で十分です。
▲同歩ですと、△8六歩▲同歩△8八歩でと金が作れます。
▲2六龍に代えて▲2八龍ですと、やはり△6七角がありますので、先手は反動が厳しいですね。
なので、△3三桂に▲同角成は無理筋ですね。
かといって、▲4六角と引くと、△2六歩で押さえ込めます。
これもまだまだ難しいですが、先手を持って指したいと思えないのではないでしょうか。
ということで、次に▲2四歩△同歩▲同飛ならどうかというのもありますね。
これには△2二飛とぶつけていきます。
▲同飛成△同銀▲8二飛△7一金▲8五飛成とかありますので、これもこれで難しいですが、駒が上ずっている分、やや先手がまとめにくいところがあります。
飛車交換を拒否して、▲2三歩には△6二飛と右四間飛車にして、△6五歩からすぐに仕掛けていきます。
どの変化も難しいことは難しいんですが、やや後手が指せる展開です。
エルモは▲4八銀とあがって、飛車先は交換しませんでした。
攻めの形を先に作る
△6六角で飛車先の交換をけん制しつつ、△6二飛と右四間飛車にして、攻めの形を先に作ります。
▲5七銀に△3二銀とここで左美濃にします。
飛車のぶつけがなくなったということで、▲2四歩から一歩交換しますが、2三歩も受けずに△6五歩から攻め潰します。
チャンスが来たら一気に攻め込む
△8六歩▲同歩△8八歩の手筋が非常に厳しいですね。
▲同角は△3五角が飛車・銀両取りになりますので、△6五銀から一気に攻め込んでいきます。
エルモも強いですので、かなり粘りましたが、さすがに形勢が離れすぎていて、巻き返せないですね。
4四角型の利点
この4四角型は居角左美濃急戦に比べて何が良いのかということなのですが、相手に応じて手を代えられるのが大きいです。
攻め込めるのであれば、居角左美濃急戦同様、一気に攻めることができます。
ただ相手がしっかり対応して攻め込めないときは、△3三銀とあがってこちらも矢倉に組み直すことができます。
居角左美濃急戦の場合、攻め込めないと悪くなりがちですが、4四角型はそれをカバーしているということですね。
また、場合によっては△3三桂から桂馬も攻めに活用できますので、攻めの幅も広がります。
攻めも守りも強いので、かなり優秀な作戦です。
コメント
これ守りたい人にはいいけどガンガン責めたいなら
左美濃のほうがシンプルで楽ですね
どっちもつかいこなせればいいですが対人なら左美濃で十分勝てそうですね